Tetsuji Sakakibara
竹林に囲まれた静かな尼寺。往生院の境内にありますが、後年の荒廃が酷く今では祇王寺として静かな佇まいを見せています。穏やかな空気が立ち込める祗王寺の魅力に迫ります。1、祇王寺とは?
古典好きでなくとも、みなさんの知っている平家物語。平清盛の寵愛を受けた白拍子が、清盛の心変わりに傷つき都を追われて出家したのがこの祗王寺。静かな草庵で、訪れるだけで心が洗われるような気がします。草庵には祗王達の仏像が安置され、その穏やかな顔を見るだけでも癒されますよ。嵯峨野の美しい自然に囲まれた尼寺は、女性の悲しみと強く生きる為の力が同時に存在するかのような不思議な場所。
2、祇王寺の魅力
草庵の控えの間にある吉野窓からは、光指す具合がまるで虹のように見え、俗世から離れた祗王達を優しく照らしたと言われています。竹林が美しく四季を通して、色とりどりの自然と鳥や虫の声を楽しめるのも祗王寺の魅力の1つ。平清盛の五輪の塔があり紅葉の名所としても多くの人が足を運びます。
3、祇王寺の見どころ・スポット
1、本堂と吉野窓
嵯峨野の奥ともあり竹林に囲まれた美しく静かな場所。その美しい竹林は「吉野窓」から見るとまるで虹のように見えます。まさにかぐや姫の世界を目の当たりにするようなその風景は、尼寺らしい慈愛に満ちた光景です。はっきりと外を見ることの出来ないこの窓は、俗世との縁を切った尼僧の強い気持ちを表しているかのとうにも見えます。
非常に小さな本堂があり、平清盛像に祗王とその母と妹祗女、そして清盛が心を移した仏御前の仏像が安置されています。祗王が都を出て出家した事を知った仏御前は、何時かも自分は捨てられると世を儚み出家したそうです。権力者として栄華を極めた清盛ですが、女性の方が現実的だったのは因果ですね。
仏壇の半円形五つの窓向い、中央に大日如来像があり左端から刀自、祇王、祇女、右端に仏御前の像が並んでいます。尼になった時の姿を現したもので出家した年齢で作られています。御本尊と祇王の間に小さな清盛の像が置かれているのも、微妙な女心を表しているかのようです。
2、竹林
祇王の小径と呼ばれる、竹林は苔庭から続く参道となっていて嵯峨野らしい穏やかな竹林が広がっています。ひっそりと身を隠すようなこの地は古くから多くの貴人が癒しを求めてやってきました。恋を捨てて尼となった女性たちの心を癒し、最期の時を迎えるまで穏やかで静かな場所として有り続けたのです。
3、紅葉
庭の回りを歩けるので、苔の上に散る桜や紅葉が燃えるように広がる様を見ることが出来ます。苔庭と、秋の紅葉が広がる様子はまるで絨毯が広がるかのように美しく苔とコントラストが堪らなく美しい庭になります。特に散り際の祗王寺の庭は見事です。
4、祇王寺を訪れた人の声
嵯峨野散歩、その6。
祇王寺境内。
苔の彩度が増してきている。
境内を歩きながら、今季初めてウグイスの鳴き声を聞いた。(´ー`) pic.twitter.com/SwmBQ6m4tb
— 楽兎庵 (@rakutoan) 2015, 3月 22
祇王寺の
苔を彩る
落ち椿 pic.twitter.com/CUJjyb5a13
— ranzan1959 (@rannzann1959) 2015, 3月 20
5、祇王寺の詳細
基本情報
- ・名称:祇王寺
- ・住所:京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町32
- ・アクセス:京都バス 嵯峨釈迦堂前バス停
- ・拝観時間:9:00~17:00
- ・定休日:無休
- ・電話番号:075-861-3574
- ・料金:大人 300円、小学生 200円/大覚寺・祇王寺共通拝観券 600円有り
- ・駐車場:あり
- ・オススメの時期:紅葉時期
- ・公式サイトURL:http://www.giouji.or.jp/#fb_area