長岡まつり大花火大会がスゴイんです!新潟県で毎年行われているのが、もはや夏の風物詩ともいえるこの催しです。地元っ子の大きな楽しみの一つでもあり、関越道や上越新幹線を使って、関東や東海方面からも多くの人が見物に訪れる、まさに一大ページェントなんですよ。とりわけ日本人の心を揺さぶる「火の大輪」は大変な人気で、観覧者は2日間の合計で100万人を超すこともあります。今回は、そんな大イベントのルーツや見どころをご紹介します♪
1.長岡まつりのルーツ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E5%B2%A1%E7%A9%BA%E8%A5%B2#/media/File:A…
お祭りや花火大会というと、華やかな楽しい行事には違いありませんが、長岡まつりを語る上で、避けて通れない過去の歴史があります。長岡まつりのルーツは、悲しい出来事にまでさかのぼります今から約70年前。昭和20年8月1日、アメリカ軍のB29爆撃機125機が長岡に襲来し、約900トンもの焼夷弾による無差別爆撃を行い、1484名が犠牲となりました。 この新潟県で唯一となる空襲は、『長岡空襲』と呼ばれています。その翌年の8月1日、犠牲者の鎮魂と、焦土と化した長岡の復興を願って復興祭が開かれました。それが長岡まつりのルーツとされており、現在に至るまで、鎮魂や世界平和の精神が脈々と受け継がれています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E5%B2%A1%E7%A9%BA%E8%A5%B2
長岡市ではじめて花火大会が開催されたのは、明治12年で遊廓の関係者がお金を出し合い、350発の花火を打ち上げたとされています。その後、同じ新潟県内の片貝まつりと打ち上げる花火の大きさを競うようになり、「正三尺玉」を打ち上げるまでになります。戦後は「長岡復興祭」として花火大会が復活し、その後「長岡まつり」と名称を変更して、日本三大花火大会の一つに数えられる花火大会となっています。2.長岡まつりにおける純白の慰霊の花火
長岡の大花火大会の開催日は8月2日と3日ですが、実は、8月1日にも花火が打ちあがります。これは、前述した昭和20年8月1日の長岡空襲の発生時刻にあわせて打ち上げられるもので、午後10時半に、純白の花火が3発打ち上げられることになっています。
空襲で犠牲になった人々や、復興に尽力した先人たちに思いをはせ、平和の尊さを考えながら、純白の慰霊の花火を鑑賞したいものです。
8月1日の「慰霊の花火」に合わせて長岡市内の寺院では、午後10時半に慰霊の鐘を一斉に鳴らします。また、前夜祭では、燈籠流し、大民踊流し、神輿渡御も行われます。特に燈籠流しは花火と並ぶ長岡市の夏のイベントとして参加する市民も多く、市街地中心部を流れる柿川の川岸の両岸から多くの灯篭が流されます。
3.勇壮な華の舞をじっくりと楽しもう
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大花火大会ではフェニックスや様々な種類のスターマインなど、2万発を超える規模で、めくるめく迫力ある勇壮な花火が打ち上げられます。 http://nori-sharemyjoy.at.webry.info/200808/article_3.html
時間は午後7時20分頃から9時15分頃までとなっています。 花火師が選ぶ美しい花火10選でナンバーワンに選ばれてるんですよ♪♪
長岡まつり大花火大会は、2日間にわたって行われる規模の大きさはもちろん、花火の質、100万人とも言われるお客さんの受け入れ体制など全てにおいて質の高い大会です。この質の高さこそナンバーワンに選ばれる理由で、町全体で花火大会に協力し、そして多くの市民が花火大会を楽しんでいます。
■ 基本情報
- ・場所:新潟県長岡市大島町ほか (信濃川河川敷 長生橋下流)
- ・アクセス:JR長岡駅から徒歩30分
・日時:2016年8月2日、3日 19:20~21:10頃 - ※8月1日午後10時半に、慰霊の花火が打ち上げられます
- ・規模:約2万発
- ・電話番号:0258(39)2221
- ・公式サイト:http://nagaokamatsuri.com/
4.BGMが花火大会をさらに盛り上げます♪
毎年、テーマに合わせた様々な楽曲が花火の打ち上げとともに流れ、よりドラマチックに場面を盛り上げまています。楽曲と見事にシンクロさせる演出は花火打ち上げの重要なポイントなのです。プログラムが発表されると楽曲からストーリー展開のイメージを膨らませることができます。
長岡花火大会のすごいところは、2日間開催されるなかで同じ楽曲を使用しても、それぞれ違う花火を上げるところです。
花火大会のBGMで注目してほしいのは、スケジュール前半で流れる宇崎竜童さん作曲、阿木燿子さん作詞の「故郷はひとつ」。長岡を応援している宇崎竜童さんと阿木燿子さん夫妻が長岡のために作った曲で、長岡で開催されるいろいろなイベントで歌われています。
5.花火の種類
プログラムも演出も当然毎年変わるのですが、長岡花火大会でよく打ち上げられる名物花火の種類をいくつかご紹介しますナイアガラ超大型スターマイン
慰霊の花火の後はこのナイアガラ超大型スターマインの打ち上げとともに、長岡花火大会はいよいよ本格的にスタートします。
信濃川に架かる大手大橋がナイアガラと名付けられた大滝のような白い炎の花火に包まれます。まるで橋が燃えているように見える背後では鮮やかな色のスターマインが豪快に打ち上がります。ただまだこれは序の口、花火大会は始まったばかりだというのだから驚きです。
長岡の花火大会でナイアガラが登場したのは、昭和28年のこと。焔管を一列に吊るし、点火すると焔管から火の粉が一斉に流れ落ちて、まるで幅の広い滝のように見える花火です。信濃川にかかる大手大橋と長生橋とで、延長は650mにも及びます。さらに、この長生橋のナイヤガラと、そのバックに打ち上がる尺玉の連発は、長岡の花火のみどころの1つです。
ベスビアス超大型スターマイン
ベスビアス花火とはイタリアのベスビアス火山から由来していて、大噴火の様子をイメージしているそうです。そこにスターマインの色鮮やかさが加わった迫力の花火です。
スターマインは、次々に連続発射される打上花火のことをいいます。ベスビアス超大型スターマインは、その大型版で、長岡の花火大会には1960年に登場した花火です。通常のスターマインには直径6cmから14cmの玉が用いられますが、ベスビアス方ははるかに大きな2尺玉(直径約60cm)が使われます。そのため、大きさも音もケタ違いの迫力です。
超大型ワイドスターマイン
長岡花火大会の特徴でもある色鮮やかなスターマイン5色が5箇所から同時に打ち上げられるので、まるで花火の壁に一面多い尽くされるように見えます。
次々に連続発射されるスターマインは、今はパソコンで点火が制御されており、BGMに合わせてタイミングよく打ち上がります。しかし、離れた場所にある花火を同時に打ち上げるのは、簡単ではありません。花火を扱う会社が長年かかって築き上げたノウハウが、美しい花火を夜空に咲かせています。
ハローキティ花火
なんともかわいらしい名前の花火ですが、その名の通りハローキティのお顔が夜空に現れます。女の子が大好きな花火です。花火が爆発した後、光が飛び出して一瞬だけ夜空に絵を描くのですが、その飛び出す光を微妙に調整していくことで、かわいいハローキティを描いてみせます。飛び出す光の色や輝き具合などを調整していかにハローキティに見せるかは、花火師の腕の見せどころ。ぜひ、一瞬だけ夜空に描かれるハローキティを見逃さないようにしてください。
超大型ミラクルスターマイン
2箇所から同時に格子状に交差するように打ち上げられる花火です。通称「BIG X」とも呼ばれています。
離れた2箇所から斜めに打ち上げたスターマインを上空で交差させて花を開かせるミラクルスターマインは、タイミングや発射の角度、打ち上げの火薬の量など、高度な技術があってはじめて実現できる花火です。こんなアクロバットのような花火が毎年見れるのも、長岡の花火大会ならではでしょう。
市民花火と米百俵花火・尺玉100発
市民花火は市民の寄付金によって、市制80周年を記念した尺玉80発が打ち上げられたことから始まり、100周年まで毎年1発づつ数を増やして打ち上げられました。
米百俵花火は市民花火と内容は同じですが、スポンサーによって打ち上げられる花火で、通常2日間の1日づつそれぞれ米百俵花火と市民花火がプログラムされています。
米百俵花火・尺玉100発は、花火大会のスケジュールの最後を飾る豪華な尺玉の百連発です。応援ソング「空を見上げてごらん」に乗せて、華麗に夜空に打ち上がります。花火バージョンのこの応援ソングには、長岡の少年少女合唱団も参加しており、米百俵の精神を子供たちの未来へと繋いでいます。
正三尺玉
正三尺玉は1日のプログラムの中で2回打ち上がります。打ち上がる前にサイレンを鳴らして見物客の注目を一気に集めるところから、この花火大会に携わる人にとってこの正三尺玉にかける意気込みが伝わってきます。
いくつか尺玉が打ち上がった後、花火職人の技の見せどころでもある直径約680mもの大きな正三尺玉が満を持して大空へと打ち上がり、美しい大輪を見事に咲かせます。長岡花火大会の一番の目玉花火です。
匠の花火
花火師たちが10号玉の花火を1発づつ打ち上げます。
復興祈願花火フェニックス
2005年から始まったフェニックスも今ではすっかり長岡花火大会の名物花火になりました。平原綾香の「ジュピター」がBGMとして使用されており、全長1,7キロにもおよぶワイドスターマインが楽曲の壮大さを見事に表現しています。
まつりの起源である慰霊とそして復興を願う気持ちを花火で表現しており、花火の最後には中から翼を広げた不死鳥が浮かび上がります。東日本大震災の後、被害の大きかった石巻市を元気付けるようにこの復興祈願花火が長岡から贈与され、石巻市の花火大会でも打ち上げられました。このフェニックスを毎年1番楽しみにしている人もきっとたくさんいるでしょう。
6.光のメッセージ
全ての花火が打ち上がると、お客さんみんなでペンライトや携帯を取り出して、花火師や関係者の方たちに「今年もありがとう!」という気持ちを光で表現します。参加者全員で作り上げるその光景はまるで天の川のように夏の夜に光り輝きます。花火師も空に向けてライトを振ってそれに応えます。その場にいるみんなで作り上げる花火大会に、最後まで幸せな気分に浸れます。
7.注意点
日本を代表する花火大会ですから、当然長岡市民だけではなく他県からもたくさんの観覧者が押し寄せます。お手洗いは余裕をもって行ってくださいね。また、帰り道は長生橋や大手大橋を通るルートはなるべく避けた方が無難と言えます。残念ながら毎年交通事故が発生しやすく、その事故がさらなる渋滞を引き起こす原因となっているので、多少遠周りでも他ルートを確保しておきましょう。8.最後に・・・
長岡まつり大花火大会のラストを飾るのは、2015年から行われている「米百俵花火・尺玉100発」。長岡出身の歌手・沢田知可子さんが製作した長岡復興応援ソング「空を見上げてごらん」に乗せて100発の尺玉が打ち上がります。米百俵は、戊辰戦争で荒廃した長岡藩が、援助にもらった米百俵を教育のため使って、今日の繁栄を築いた逸話。そんな先人の思いを花火に託しています。
長岡まつり大花火大会をご紹介してきましたが、いかがだったでしょう。写真で見るだけでも思わず「た~まや~」と言ってしまいそうな見事さですよね。このイベントには、悲しい過去を慰霊し、未来に平和を受け継ぎたいという思いがこもっています。また、2004年に発生した新潟県中越地震からの復興と、防災への願いもこめられています。華やかな火の舞とともに、当たり前に暮らせることの尊さや、何気ない日常のありがたさを噛み締めてみませんか?