北辺警護のために配置された江戸幕府の役所のひとつである「箱館奉行所」は、1864年(元治元年)に五稜郭へ移転されましたが、わずか7年で解体されてしまいました。2010年(平成22年)、その歴史的遺産の庁舎の1/3を復元しました。幕末から明治維新にかけての時代を感じることができる箱館奉行所をご紹介いたします。
箱館奉行所とは?
箱館奉行所は、 江戸幕府の役職のひとつであり、その土地の政務を取り扱っていた遠国奉行です。2度にわたり、設置されていました。最初は、南下してきたロシアの脅威に対応し、ロシアとの良好な関係を築くよう役割を担っていました。その後、政府の判断で一度その役割を終えましたが、黒船来航により函館が開港され日本の北の玄関となったため、諸外国への応接や蝦夷地の海岸防備、蝦夷地の統治をになうために再度箱館奉行所が設置されました。箱館奉行所の魅力
函館奉行所の魅力は、かつて建てられていたのと同じ場所に、可能な限り当時の材料と工法で復元されていることです。奉行所庁舎が取り壊されてから、長い間調査などがされていませんでした。しかし、昭和58年(1983年)頃より奉行所を含め、五稜郭全体の復元整備を目指して資料での調査と発掘調査が進められました。その結果、発掘された絵面図と資料をすり合わせたところ絵面図の精度の高さが確認され、さらにパリの骨董店で当時の写真が発見され、写真解析を進めていった結果、2010年(平成22年)に復元に至りました。当時の奉行所の状況を感じると共に、様々な方々の努力の結晶である復元された奉行所庁舎の姿は見物です。見どころ・お勧めポイント
幕末の函館奉行所内を忠実に再現した「再現ゾーン」
再現ゾーンである大広間や奉行の執務室であった表座敷は、格式の高い部屋であったため、文献資料をもとにできる限り忠実に再現されています。特に大広間は襖を開け放つと72畳もの広さになり、日本の伝統建築の趣のある佇まいを体感することができます。奉行所庁舎の復元工事の詳細を紹介している「建築復元ゾーン」
建築復元ゾーンは、比較的身分の低い武士たちの詰め所であった部屋に設置されています。ここでは復元の設計から施工までの経過が紹介されており、実際に使用されている部材の現物の展示も行っています。実際にてにとって触れることのできる部材もあり、復元工事の様子や大変さなどを学ぶことができます。箱館奉行所と共に風情を味わう「桜」
五稜郭内にはソメイヨシノを中心として約1600本の桜が植えられています。満開になった桜と共に当時のままの復元された箱館奉行所を見て楽しむのもいいですね。奉行所庁舎の近くには桜だけでなく紅梅も植えられており、そちらもとても奇麗です。口コミ
箱館奉行所凄かったなぁ!\(^-^)/ pic.twitter.com/iGgg1RG6AH
— Яγοで㌃@最強の剣士 (@g4_t_r12) March 31, 2015
函館 五稜郭 箱館奉行所 1/3の規模で復元されたものです。 とても美しく、見る価値があります pic.twitter.com/MuKfXHZDT2
— 晴Hare* (@bel_tempo07) February 23, 2015
基本情報
- ・名称:箱館奉行所
- ・住所:北海道函館市五稜郭町44番3号
- ・アクセス:市電「五稜郭前」より徒歩18分
- 函館バス「警察署前」より徒歩8分/函館バス「五稜郭公園入り口」より徒歩10分
- 函館バス「中央図書館前」より徒歩9分/五稜郭タワーシャトルバス降車後徒歩3分
- ・営業時間:4月〜10月 9:00〜18:00(17:45受付終了)
- 11月〜3月 9:00〜17:00(16:45受付終了)
- ・定休日:年末年始(12月31日〜1月3日)※館内整理などにより臨時休館の場合あり
- ・電話番号:0138-51-2864
- ・料金:一般 500円/学生・生徒・児童 250円/未就学児 無料
- (団体料金、各種割引あり)
- ・所要時間:2〜3時間
- ・オススメの時期:春
- ・公式サイトURL:http://www.hakodate-bugyosho.jp