「山形県はどこへ行っても温泉が出るんだよ」と聞いたことがあります。県の温泉リストを見ると宿泊施設、公衆浴場のある温泉地は138か所、555施設、そのうち日帰り公衆浴場は109か所もあり、調べるとやはり全35市町村に温泉地がありました。どこを選ぼうかーーーぜいたくな悩みです。
1.蔵王温泉共同浴場上湯、下湯、川原湯と大露天風呂
樹氷とスキーで有名な東北最大級の山岳リゾート、蔵王は、温泉地でもあります。開湯は日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征の時、と言いますから今から2000年前に遡ります。湯質は、Ph1台の強酸性で、美肌促進効果もある、とか。白く濁った湯です。温もるだけにしてください。4湯ともにかなり熱め。蔵王温泉街のいちばん高台、スキーゲレンデ近くにあるのが、日帰り温泉施設の大露天。最も新しく、風呂は4段あって上2段が女性用、下2段は男性用。上湯、下湯は、温泉街の中心部、川原湯は、裏通りの奥にあります。
観光案内所で「湯めぐりこけし」(1300円)を買うと湯めぐりシールがついているので、それを使って温泉をめぐるのも楽しいでしょう。蔵王には、3共同浴場、3足湯、5日帰り温泉施設があります。
■ 基本情報
- ・名称: 蔵王温泉共同浴場(上湯、下湯、川原湯)と大露天風呂
- ・住所: 山形市蔵王温泉
- ・アクセス: 山形自動車道の山形蔵王ICを降りて西蔵王有料道路を経由して蔵王温泉に
- ・営業時間: 共同浴場は6:00〜22:00、大露天は、6:00〜19:00
- ・定休日: 共同浴場は通年営業で無休。大露天は冬期(11月下旬〜4月中旬)閉鎖
- ・電話番号: 共同浴場は観光協会(023-694-9328)、大露天は、温泉観光(023-694-9417)
- ・料金:共同浴場はどれも大人200円、大露天は大人470円
- ・公式サイトURL: http://www.zao-spa.or.jp ここ http://www.zao-spa.or.jp/camera/ は、蔵王のライブカメラです。
2. ゆざの温泉 あぽん西浜
秋田県との県境にある鳥海山のふもとにある遊佐(ゆざ)町・吹浦駅に近い海岸に湧き出た温泉がここ。「あぽん」とは母親が幼な子と一緒に風呂に入る姿のことを意味する地元のことば。食塩泉で、38.5度、湯量も豊富です。湯舟は2つ、そのうちひとつは泡の出る寝湯。サウナ、シャワー施設があります。有料の大広間はカラオケもなく、静か。車いすトイレもあり、バリアフリーもありがたい。外の駐車場には円形の「足湯湯っ足(ゆったり」(これは無料)や、駐車場横には飲泉所もあります。
一帯を「ゆざの温泉」と言い、ここ以外に宿泊施設の「鳥海温泉遊楽里(ゆらさ)」(0234-77-3711)、「湯の田温泉酒田屋旅館」(0234-77-2007)でも日帰り温泉を大人400円で利用できる。但し事前に電話で連絡を。
■ 基本情報
- ・名称:あぽん西浜
- ・住所: 山形県飽海郡遊佐町大字吹浦字西浜2-70
- ・アクセス: JR吹浦駅から徒歩15分 / 山形自動車道酒田みなとICで降り、国道7号線を秋田方面に15分
- ・営業時間:6:00〜22:00(入館は21:30まで)
- ・定休日: 第2、4月曜
- ・電話番号: 0234-77-3333
- ・料金: 大人400円など。大広間利用は、大人210円など。
- ・公式サイトURL: http://www.yuzachokai.jp/dayspa/yuzanoonsen
3.湯野浜温泉 上区、下区共同浴場
湯野浜(ゆのはま)温泉は、山形県の日本海側では最大の温泉地。1000年の歴史です。城下町・鶴岡の中心部までクルマで20分。長い砂浜に沿って大きな温泉ホテルが並び、鳥海山が遠望でき、夏は海水浴でにぎわいます。泉質は、塩化物泉で、やや塩っぽい。源泉は50度を超えるかなり熱いお湯です。昔からあるのが、上区共同浴場で温泉街の南の端にある年季の入ったビルです。入場券200円は自販機で購入を。新しい方が、下区共同浴場で、温泉街中央のロータリー広場にあるバスターミナル「コスパ」の1階。透明な湯のかけ流しで、シャワーのある分、上区より高いけれど、それでも300円です。
ともに、朝湯の時間があり、その後、10時から夜9時まで入浴できます。下区のそばに、無料の足湯と、飲泉場があります。
■ 基本情報
- ・名称: 湯野浜温泉 上区、下区共同浴場
- ・住所: 山形県鶴岡市湯野浜
- ・アクセス: 山形自動車道の鶴岡ICを降りて、国道7号線、国道112号線で西に向かい、海岸に出て5キロ北上すると塩野浜温泉
- ・営業時間: 上区は午前6時~7時、午前10時~午後9時半(受付は9時まで)
- 下区は午前6時~午前7時、午前10時~午後9時30分
- ・定休日:下区公衆浴場のみ第2・4木曜日
- ・電話番号: 0235-75-2300(湯野浜コミュニティセンター)
- ・料金: 上区は、中学生以上200円、小学生100円、下区は、300円
- ・公式サイトURL:湯野浜温泉観光協会 http://www.yunohamaonsen.com
- 鶴岡市観光連盟 http://www.tsuruokakanko.com/cate/p0115.html
4.肘折(ひじおり)温泉 上の湯
出羽三山の主峰・月山の麓、銅山川沿いにあります。温泉を開いた歴史は807年に遡り、肘を折った老僧がこの地の湯につかったところ、快癒した、などいくつもの伝説に彩られています。豪雪地帯でも知られ、一定の積雪を超えると豪雪割引があるそうです。上の湯は、温泉街の中心にあるシンボル的共同浴場で、ナトリウムー塩化物炭酸水素温泉です。旅館の湯よりもぬるめで、ゆっくりつかるには最適です。上湯以外に「肘折いでゆ館」(0233-34-6106)と「カルデラ温泉館」(0233-76-2622)にも日帰りの湯施設があります。
温泉街には20軒の宿があり、湯治場らしく自炊設備があります。朝5時、カランコロンという音とともに始まる名物の朝市もぜひ。冬場を除く毎日、おばちゃんたちが、採れたての野菜や笹餅などを持って集まり、土産店や旅館の軒先に市を開いているのです。
■ 基本情報
- ・名称: 肘折(ひじおり)温泉 上の湯
- ・住所: 山形県最上郡大蔵村大字南山肘折
- ・アクセス: 山形自動車道の山形北ICを降り、国道13号線を北上し、新庄市から国道47号線を西に向かい、本合海で左折し、国道458号線を南下する
- ・営業時間:8:00~18:00 ( 冬季は〜17:00)
- ・定休日: 木曜午前(清掃のため)
- ・電話番号: 0233-76-2211(肘折温泉観光案内所) ・料金:大人250円、小人100円 (宿泊客は無料)
- ・公式サイトURL: http://hijiori.jp/index.html
5.滑川(なめかわ)温泉 福島屋
最も遠隔地で、しかも、露天で、しかも混浴の温泉がここ。500年ほど前、地元の郷士が岩を滑ったはずみに温かいものを感じて温泉を発見し、250年前に上杉藩主の許を得て開かれました。今の当主は13代目。自家水力発電、源泉かけ流しで、岩風呂と檜風呂のふたつの露天風呂は、9時〜16時まで日帰り温泉の対象。岩風呂だけは、時間を限って(午前9時〜11時と16時〜17時半)女性専用。それ以外は混浴で、女性はバスタオルOK。但し、旅館自体は、冬期(11月中旬〜4月中旬)は休館しています。
公式サイトのQ&Aを見ていただくと分かりますが「たまに、『今、露天風呂は女性専用時間って言う話だけど~、ちょっと覗いてみたら誰も入っていなかったから~、入っちゃだめ?』という方がいるそうです。回答は「もちろんだめです。というか、ちょっと覗いたらだめです」。そりゃそうですよね。
■ 基本情報
- ・名称: 滑川(なめかわ)温泉 福島屋
- ・住所: 山形県米沢市大字大沢15番地TEL
- ・アクセス: JR奥羽本線峠駅から送迎車あり(8時〜20時)、東北自動車道福島飯坂ICから20キロ(約1時間)、国道13号線東栗子トンネルを過ぎて板谷方面に左折
- ・営業時間: 9:00〜16:00(清掃時間帯があり、詳しくは下記サイト参照)
- ・定休日: 11月中旬〜4月中旬は休館
- ・電話番号: 0238-34-2250
- ・公式サイトURL: http://www.namegawa-fukushimaya.com/index.html