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和歌山県新宮市の熊野御燈祭(お燈まつり)は、日本最古といわれる由緒ある火祭りです。新宮市出身の作家・中上健次から御燈祭の話を聞いた俳優の原田芳雄が20年間欠かさず通ったことで知られ、近年は外国からの参加者も増えているといいます。人々を惹きつける熊野の御燈祭とは、一体どんなお祭りでしょうか。 この地域のおすすめ記事
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熊野御燈祭とは?
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毎年2月6日に開催される熊野御燈祭は、西暦574年が始まりと伝えられています。ご神体「ゴトビキ岩」のある神倉神社の例祭で、白装束に身を包んだ上り子と呼ばれる参加者(男性のみ)約2千人が手に松明を持ち、538段の石段を一気に駆け下りるという迫力で、県の無形民俗文化財に指定されています。(写真・神倉神社とゴトビキ岩)
熊野御燈祭の魅力
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ご神火の洗礼を受けて火に感謝し、1年の家内安全を祈願する御燈祭に派手な演出は一切なく、「祭り」をイメージして現地へ出掛けると、日中はその静けさに拍子抜けしてしまうことでしょう。(写真・神倉神社境内)
しかし夜になって神倉神社へご神火が運ばれ、クライマックスの2千本にも及ぶ松明が一斉に駆け下りていく様子は、その火が流れるように繋がって見えることから「下り龍」にも例えられ、迫力満点で神々しささえあります。そのコントラストがこのお祭りの魅力をより際立たせているのかもしれません。
(御燈祭を紹介したウォーカーステーションTVによる動画)
熊野御燈祭をより知るためのキーポイント
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阿須賀神社
御燈祭に参加する上り子達は、集合場所である神倉神社のある神倉山へ行く前に神社で参拝し、祭りの無事を祈ります。その神社のひとつがこちら、同じ新宮市内にある阿須賀神社。熊野三山のひとつ熊野速玉大社の摂社でもあります。ここで白装束に御朱印を押してもらいます。hirohama
熊野速玉大社
続いて同じく新宮市内の熊野三山・熊野速玉大社へ。夕方になると、ここの参道を法螺貝を吹きながら歩く先導役の神職たちやご神火をもたらす大松明を持った介錯(かいしゃく)と呼ばれる人達の行列があり、祭りの始まりを静かに盛り上げています。cyesuta
(写真・熊野速玉大社社殿)白い食べ物で身を清める
上り子達は御燈祭の一週間前から精進潔斎(しょうじんけっさい・肉食を断って身を清める)の意味で、白ご飯、白い豆腐、白いカマボコなどの白い食べ物しか口にしません。また御燈祭当日の朝から昼に掛けて、熊野灘に面する王子が浜では、海に入水して気合を入れる上り子の姿も見られます。Zengame
夜を目指して神倉山へ
ご神火が運ばれてくる夜の8時前に、神倉神社を目指していざ神倉山へ入山。ここから先は御燈祭の当日のみ女性の立ち入りが禁止になります。この石の階段の勾配がきつく、這い上がって登るような感覚とのことなので、高いところが苦手な人はご注意を。Kuruman
神倉神社へ到着
上り子達の集合場所となっている神倉神社。ご神体のゴトビキ岩に締められている縄も、御燈祭にあわせて新調します。そのしめ縄の長さ30m、重さにいたっては約200kgもあるのだとか。夕方の6時過ぎにもなると、この場所に上り子が続々と集まってきます。ここからは上り子以外は入ることができません。Kuruman
神倉神社鳥居の門
上り子全員の松明に火がついた頃にいったん門を閉め、夜の8時を目処に再びこの門が開きます。開いたと同時にゴールの太鼓橋を目指してこの門を一斉に飛び出していく、2千人以上にも及ぶ上り子達。その姿は、この御燈祭一番の見どころでしょう。但し見学の際は、この門周辺にはいないほうが安全です。hirotomo
538段の石段
燃え盛る松明片手に、こんな急な階段を538段も下りて行くのはかなり大変そうですが、毎年子どもの参加もあるとのこと。後方にはゆっくり休み休み下りていく上り子達もいるようですので、参加を考えられている方はご安心ください。Kuruman
ゴールは太鼓橋
参加者の家族など、女性達はこの太鼓橋で上り子の帰りを待ちます。無事に下山して再会した時は、お互い自然と笑顔に。この笑顔には参加者のみならず、見学する側も心が洗われるような、清々しい気持ちになりそうです。そう、この女性達も、御燈祭の立派な参加者なんですね。hirotomo
参加者の声
Kuruman
御燈祭に参加された方の声です。お燈祭り 神倉神社 和歌山県新宮市
荒ぶる男と待つ女の火祭り お燈祭り
基本情報
- ・名称:熊野御燈祭(くまのおとうまつり)
- ・住所:神倉神社及び市内各地 新宮市神倉1丁目ほか市内 東牟婁地域
- ・電話番号:新宮市商工観光課 TEL0735-23-3333
- ・公式サイトURL:http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/000200/photomuseum/053.html