世界遺産にも登録されている醍醐寺は、京都を代表する文化財になります。しかし、醍醐寺というと広すぎて「何を見たらいいの?」と迷われてしまう方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、醍醐寺の魅力についてご紹介します。
醍醐寺とは?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%86%8D%E9%86%90%E5%AF%BA
醍醐山に200万坪の広大な境内をもつ寺院が、醍醐寺です。修験者の霊場として発展した歴史を持つだけではありません。 豊臣秀吉によって開催された「醍醐の花見」をきっかけに、現在の和歌山から寺院建築が移築されたエリアもあります。 874年の創建当時は多くの修験者の霊場として発展していました。その後、醍醐天皇が醍醐寺を自らの祈願寺とするとともに手厚い庇護を受けたのです。その圧倒的な財力によって「下醍醐」が発展していったのです。下醍醐の華やかな背景には当時の醍醐天皇の財力が影響していた、ということなんですね。
醍醐寺は真言宗醍醐派総本山の寺院で伏見区東方に広がる醍醐山に200万坪以上の広大な境内をもっています。貞観(じょうがん)16年(874年)に空海の孫弟子・理源大師聖宝が開山・創建したお寺です。醍醐寺には上醍醐と下醍醐がありますが、この二ヶ所は険しい山道で隔てられ、徒歩の場合1時間ほどかかります。
醍醐の花見とは?
http://indoor-mama.cocolog-nifty.com/turedure/2009/04/post-4f20.html
慶長3年(1598)の春、秀吉が開いた盛大な花見の宴。近畿各地からつぼみをつけた桜を700本取り寄せ、植樹、三宝院の建物と庭園を造り、豪華絢爛な花見が催されました。当時としては日本最大規模の花見だったといわれています。これにちなんで毎年4月の第2日曜日には「豊太閣花見行列」が開催されます。京都の行ってみたいさくら名所100選にも選ばれています。「醍醐の花見」は豊臣秀吉や北政所、淀殿らの近親者から諸大名やその配下のものまで約1300人を召し抱えた盛大な催しで、秀吉一世一代の催し物と言われています。秀吉が晩年に催した「醍醐の花見」は九州平定直後に催された北野大茶湯と双璧をなすとも言われています。花見に招かれたのはなんと女性ばかり!ハーレムですね(笑)。秀吉・秀頼以外には前田利家の名しかなかったそうです。この花見で詠まれた和歌の短冊は今でも「醍醐花見短冊帖」として三宝院に保管されています。
醍醐寺で押さえておきたい3つのエリア
T.Kiya
ここからは、醍醐寺で押さえておきたい3つのエリア「上醍醐」「下醍醐」「三宝院」とそれぞれの見どころスポットを紹介していきます!どこも見どころ満載でおすすめできる場所ばかり!広大な境内の醍醐寺には歴史的建造物や桜、紅葉などの自然もたくさんあります。京都の観光名所として国内外から多くの人々が訪れています。美しい自然と由緒ある歴史に触れることができますよ。
このエリアすべてを満喫しようと思うならしっかりと時間を確保☆先程も記述したように「上醍醐」から「下醍醐」まではおよそ1時間!なんせその道のりは霊場としても難所として有名な山道なんですから。それでもすべて訪れてみたい衝動は抑えられません!
エリア①西国一険しい札所「上醍醐」
西国一険しい札所として知られるのが、上醍醐です。醍醐山の山上にあります。かつては女性の立ち入りは禁止されていた修行の場としての一面を持つ場所でもあります。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%86%8D%E9%86%90%E5%AF%BA
「醍醐水」が湧き出している不思議な場所でもあるんですよ!醍醐水は醍醐寺創建以来から多くの人々を潤してきた湧き水です。現在では古来からの自然の恵みである湧き水を絶やさぬよう取水制限が設けられています。醍醐寺の境内売店ではこの醍醐水が販売されています。超軟水でそのままでも十分美味しいですが、お茶やコーヒー、粉ミルクにも適しているそうです。
【女人堂】
http://yoshi-hiro.sakura.ne.jp/daigo051201.htm
上醍醐登山口にある成身院。上醍醐は女性の立ち入りが禁止されていたため、女性は昔はここから山上の諸仏を拝んだのだそう。そのため、通称「女人堂」と呼ばれています。【薬師堂(国宝)】
http://tempsera.at.webry.info/200802/article_101.html
上醍醐の中央に位置。創建は平安後期、醍醐天皇の御願堂として建てられました。現在の堂は保安2年(1121)に再建されたもので、上醍醐最古の大変貴重な建造物です。かつて祀られていた醍醐寺の本尊・国宝「薬師三尊像」は現在、下醍醐にある「霊宝館」に安置されています。【清滝宮拝殿(国宝)】
http://lucky-river.at.webry.info/200904/article_7.html
室町時代、永享6年(1434年)に再建。檜皮葺の入母屋造が特徴の建物。弘法大師(空海)が唐の長安・青龍寺から勧請した密教の守護神・清滝権現を祀っている醍醐寺の鎮守社です。標高450mの山頂にある「上醍醐」。「下醍醐」からは2km以上もの急峻な山道を登らなければなりません。それでもこの難所を超えた先には国宝や重要文化財に指定されている建造物などさまざまな見どころが待ち受けています。
華やかな「下醍醐」
金堂や三宝院を中心とした華やかな大伽藍が広がるのが、下醍醐になります。下醍醐を代表するのが、京都府における最古の建造物として知られている五重塔です。 http://blog.goo.ne.jp/diminutive-artistic-vessels/e/539773084e387430b4f3aea84cf…
年に一度行なわれる万灯会では、金色に光り輝くように照らされた五重塔も見ることができます。下醍醐は実は応仁の乱でほとんどが全焼しているのです。さらにその後何度も焼失と再建を繰り返していました。しかし五重塔だけは創建当時のまま、現在に残っているのです。上醍醐とは対照的な華やかさがある下醍醐時。見どころもたくさんありますよ。
【金堂(国宝)】
Richard, enjoy my life!
醍醐寺の中心のお堂。豊臣秀吉発願により建立。2度の焼失により、現在のお堂は紀州から移築したものといわれています。入母屋造本瓦葺きで堂内は内陣と外陣(礼堂)の境に結界や間仕切りがないのが特徴。内部には本尊・薬師三尊像を安置しています。【五重塔(国宝)】
醍醐寺全体の見どころともいうべき五重塔。天暦5年(951年)建立。高さ約38m、京都最古といわれています。五重塔初層内部には両界曼荼羅と大日如来像などが描かれ、壁画は塔とは別に国宝に指定されています。
【弁天堂】
minoir
七福神のひとつ、弁財天が祀られている弁天堂。朱塗りの橋を渡ってお参りできます。秋の紅葉の時期には、鮮やかな紅葉と朱塗りの弁天堂、橋が池に映し出されて紅葉の名所としてにぎわいます。「下醍醐」は仏教建築が堪能できる場所でもあります。そのため多くの建造物が重要文化財などに指定されているんですよ。五重塔内部の壁画には現存最古の空海像の肖像もあるそうです。「下醍醐」にある「観音堂」には江戸時代に彫られた本尊・准胝観世音菩薩像があります。
豊臣秀吉ゆかりの「三宝院」
豊臣秀吉が開催した「醍醐の花見」は、この三宝院を中心に開催されたといわれています。この三宝院エリアに紀州からの寺院建築が移築されたのです。1115年に醍醐寺14代座主勝覚が灌頂院(かんじょういん)として開いたのですが、のちに仏教の三宝にちなんで現在の「三宝院」に改めたのです。醍醐寺は古くは真言宗系の修験の中心でしたが、1396年あたりから三宝院が真言宗系の修験者や山伏の取り締まりを行うようになったのです。
【唐門(国宝)】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%AE%9D%E9%99%A2
朝廷からの使者を迎えるときだけに扉を開いたとされる勅使門。門全体が黒漆塗りで「菊」と「五七の桐」の大きな紋には金箔が施されていました。長い年月で剥がれてしまいましたが、2009年から2010年にかけて行われた解体修理で復元、桃山時代の姿が見事に蘇りました。【表書院(国宝)】
http://blogs.yahoo.co.jp/abo54natsumi50/35181793.html
寝殿造りの様式を取り入れた、桃山時代を代表する建造物です。ここからは豊臣秀吉が「醍醐の花見」に際して自ら基本設計して作らせた「三宝院庭園」を見渡すことができます。なお、三宝院の建物内での撮影は禁止になっています。【三宝院庭園】
http://www.okeihan.net/recommend/worldheritage/detail02/
「醍醐の花見」に際して、豊臣秀吉自らが基本設計して作らせた日本庭園。池に配された「亀島」「鶴島」、天下の名石「藤戸岩」、「三段の滝」など、安土桃山時代の華やかな雰囲気を今に伝える貴重な庭園は、国の特別史跡・特別名勝に指定されています。【霊宝館】
http://24157873.at.webry.info/201404/article_9.html
文化財の保存・展示施設。特別公開は春と秋の年2回開催されます。庭には樹齢180年の枝垂れ桜の巨木があり、春には見事に咲き誇ります。「三宝院」は醍醐寺の本坊的な存在であり、歴代の座主が居住する坊でもあります。その建造物の大半が重要文化財に指定され、なかでも庭園を見渡すことができる「表書院」は桃山時代を代表する建造物なんですよ。今でも当時の華やかな雰囲気が伝わってきます。
醍醐寺の四季
ここでは、醍醐寺の四季の花たちをご紹介させていただきますね。「醍醐の花見」で有名になった醍醐寺はもちろん桜がメイン!と思われがちですが、実は四季折々さまざまな花を愛でることができるんです。日本を美しくつくろう四季同様に醍醐寺でも季節によってその表情を変化させる四季をご紹介☆
秀吉も魅了された桜(春)
othree
醍醐寺の名前が全国的に有名なのは、桜の存在が欠かせません。京都市内最古といわれるソメイヨシノ、 遅咲きの三宝院のヤエベニシダレザクラ、通称、土牛の桜、土牛の桜の遺伝子を受け継ぐ太閤千代しだれ。 春になると醍醐寺はピンク色に染め上げられます。
豊臣秀吉が晩年に贅を尽くした「醍醐の花見」を行ったことから「花の醍醐」と呼ばれ、現在でも名所として知られています。春になれば約800本の桜が境内を彩り、金堂わきのオオヤマザクラが咲き終わるまでの約3週間、さまざまな桜を楽しむことができます。
参道には桃色の桜のトンネルができ、樹齢100年を超えるソメイヨシノは必見!醍醐寺の桜は京都府内でも人気の高いお花見スポットとして有名です。見頃は3月中旬から4月中旬。例年20万人以上もの人出となっています。
緑に光り輝く紅葉(夏)
http://tempsera.at.webry.info/200802/article_104.html
紅葉というと、色づく秋がシーズンというイメージが強いですが、夏、緑に光り輝く紅葉も非常に美しくオススメです。ぜひ新しい醍醐寺の姿を見つけてみてください♪緑に囲まれた弁天堂もキレイですよ!
夏の暑さを吹き飛ばし、涼を取るのには最適な醍醐寺。たくさんの緑に囲まれてリフレッシュできますよ。さらに毎年8月5日に行われる「醍醐寺醍醐山万灯会」は圧巻!1000を超える置灯篭や提灯が参道を照らしています。また、金堂や五重塔のライトアップも行われ境内が優しい光に包まれる様は幻想的です。
広大な醍醐山にある醍醐寺は深い緑に囲まれた自然豊かな場所。杜の総面積は約300数十ヘクタールもあります。巨木がおおく、どこへいっても大樹に出会うことができます。杉や檜、アカマツなどの針葉樹林やシイやアラガシ、ツクバネガシなど。森には多くの野鳥も生息しているので新緑に囲まれて風の音や鳥の声を楽しむことができますよ。
まるで錦絵のような紅葉(秋)
桜のシーズンの醍醐寺も美しいですが、錦絵のように美しく色づく紅葉もオススメです。
capsid
ライトアップで幻想的な世界に思わずうっとりしてしまいます。秋の京都といえば紅葉のベストシーズンで、たくさんの観光客が訪れる時期でもあります。どこにいっても混雑していますが、ここ醍醐寺は静かに紅葉を楽しみたい方におすすめです。京都駅から離れていることもあり、穴場スポットになっています。
モミジやイチョウ、コナラ、両部などの落葉樹林が多い醍醐寺では桜だけでなく紅葉もも見ごたえあり☆11月になると徐々に色づき始め、見事な紅葉を楽しませてくれます。特に「三宝院」の紅葉はおすすめ!紅葉だけでなく修行道場付近の一面の萩の花や憲深林苑のツワブキの花も綺麗ですよ♪
幻想的な雪の醍醐寺(冬)
http://blogs.yahoo.co.jp/don_vwu/39628946.html
雪が降り積もると醍醐寺は一気に幻想的になります。また静寂な醍醐寺も楽しむことができます。桜や新緑、紅葉の季節もいいですが、それだけが醍醐寺ではありません。冬になるとまた別の良さが味わえます。紅葉の時期に多くの人びとが訪れ、一息ついたような静寂に包まれるのが冬。時の流れもなんだか穏やかに感じますよ。
食事処
醐山料理 雨月茶屋 本店
三宝院に隣接。京野菜を四季に応じて盛り合わせた「醐山料理」や医食同源を旨とする醍醐寺伝統の「精進料理」が楽しめる食事処。京野菜を贅沢に使った1日30膳限定の「一味膳」は3564円。盛り付けも彩り豊かで見た目も美しい御膳です。お手頃な精進のお弁当は1620円~。■ 基本情報
- ・名称: 醐山料理 雨月茶屋 本店
- ・営業時間: 9:00~18:00
- ・電話番号: 075-571-1321
- ・公式サイトURL: http://www.daigo-ugetsu.jp/index.html
お休み処 阿闍梨寮 寿庵
http://sberryf.exblog.jp/22024450/
紅葉の名所・弁天堂の池のほとりに建つ食事処。湯葉料理が楽しめます。人気は湯葉丼と桜麺のセット(1500円)。とろ~り生湯葉の湯葉丼も絶品ですが、ほのかに桜の香りがする、ピンク色のかわいい桜麺もなかなか。ぜんざいやわらび餅など甘味でちょっと一服するのにもオススメです。■ 基本情報
- ・名称: お休み処 阿闍梨寮 寿庵
- ・営業時間:10:00~17:00 ※季節・行事などにより、変更となる場合があります。
- ・電話番号: 075-572-7878
- ・公式サイトURL:http://www.daigoji.or.jp/shop/baiten/