MIKI Yoshihito (´・ω・)
「スノーモンスター」と聞いてみなさんは何を想像しますか?モンスターって言うぐらいだから「ゲームのボスキャラ?」なんて思う人もいそうですが、実はこの「スノーモンスター」、自然が作り出す素晴らしい芸術作品なんです。
1.「スノーモンスター」とは?
まずはこちらをご覧ください。「スノーモンスター」の正体、分かりましたか?
冬の水分をたっぷりと含んだ冷たい季節風が大陸から吹き込んで雪と氷を運び、その雪と氷に覆われて樹木にくっついて、樹木を覆い隠すまでに成長した姿の正体こそが「スノーモンスター」なのです。
http://plus.laforet.co.jp/blog/04zao/cat7/cat36/2013/11/
大きな生き物かと思うような巨大オブジェの数々…。「まるで人が立っているようだ」とか、「赤ちゃんをおんぶしているように見える」と表現する人もいます。訪れる時期や、雪や氷の付き方もひとつひとつ違っているので、見え方も千差万別。それがまた面白いのです。スノーモンスターは、雪雲の中の雲粒(過冷却水滴)が枝や葉にぶつかって着氷して出来ます。成長期には、風上に向けて「エビの尻尾」と呼ばれる着氷が育ちます。
http://ashihara.at.webry.info/200702/article_1.html
その後も成長を繰り返し、最盛期には樹木を覆い隠すほどの姿になります。その姿が「スノーモンスター」と呼ばれています。まるで顔のようですね。「スノーモンスター」の正体、解りましたか?「スノーモンスター」より「樹氷」という名称の方が有名かもしれません。見ていただいたように、「樹氷」は、雪をかぶった木ではありません。空気中の0度以下に冷やされた水分が、強風に吹き付けられて、常緑樹であるアオモリトドマツの枝や葉に付いた氷が成長したものです。夏は緑のアオモリトドマツが、冬には「樹氷」独特の形に成長したモンスターに変わり、山の斜面を覆います。
2.「樹氷」はどこで見られるのか?
自然が作り出す最高傑作品「樹氷」は、どこに行けば見ることができるのでしょうか?降雪量や多量の雲粒など特殊な厳しい自然条件下でないと、樹氷は作り出すことができません。蔵王など一部の地域でしかみることのできない樹氷。見ることのできる時期は12月~3月の間、見頃のピークは2月中旬です。 https://ssl.yamagatakanko.jp/gallery/data/img/exp/exp015.html
宮城県と山形県にまたがっている「蔵王」は、四季折々の楽しみ方がありますが、「樹氷」の見れる冬は、雪質の良さからスキー客でも賑わう人気の観光スポットとしても有名です。「樹氷」ができる条件はいくつかありますが、この2つは必須です。1つ目は、アオモリトドマツが自生してること。この木は、寒い地域や高山を好む常緑樹で、この葉に付いた氷が樹氷に成長します。そして2つ目は、 空気中の水分と温度と風。シベリアからやってきた寒気団から吹く冷たい風に乗った、雪として降るはずの0度以下に冷やされた水分が吹きつける場所でしか樹氷はできません。この条件にあてはまる場所は、豪雪地帯と言われる場所でも少なく、ぴったりな場所が蔵王という訳です。
3.樹氷を見る方法
ところで、「樹氷」を見るにはスキーやスノーボードができないと見に行くことができないのではないかと思う人も多いようですが、心配ありません。スキーやスノーボードができなくても楽しめます!!なんでかというと、実は、見事な樹氷の大群まで案内してくれる乗り物があるんです。まずはロープウェー。眼下に樹氷の森が!圧巻の景色です。
http://blog.livedoor.jp/clinton1957/archives/52050731.html
頂上までの道中、素晴らしいスノーモンスター群を眺めることが出来ます。帰りもラクラク♪そして雪上車です。樹氷原まで乗せていってくれ、車から降りて鑑賞することが可能です。
http://blog.goo.ne.jp/satoko01_2009/e/812d3d66ee3e8cf6d4de4e21b8f3f5d5
樹氷は、蔵王に行けばどこでも見れるという訳ではありません。例年では、蔵王でも標高1300mから700mの場所で樹氷が成長します。たとえば、蔵王のレジャーの基地となる山形側の蔵王温泉は、標高880mですから、ここからさらに500mも高い場所に行かなければ樹氷は見えません。冬の時期にこの高さに登る手段としては、紹介したロープウェーと雪上車ということになります。山形側のロープウェーで眼下の樹氷を見ながらいっき に山頂まで登るのもいいですし、雪上車でゆっくり登るもの貴重な体験です。
4.樹氷のおすすめスポット
ロープウェイや雪上車に乗っておすすめ樹氷スポットを案内してくれるスキー場を紹介します。蔵王の周辺には、標高が高くパウダースノーが楽しめるスキー場がいくつもあります。そういった標高の高い場所にあるスキー場には、樹氷がきれいに見えるスポットがあります。樹氷が見えるスキー場といったら、宮城県側の雪上車で樹氷原に登る宮城蔵王すみかわスノーパークと、山形側の蔵王温泉からロープウェイでいっきに山頂に登る山形蔵王温泉スキー場の2つです。なお、雪上車は麓から樹氷原との往復ツアーですし、ロープウェイも往復券で下りも乗れるので、樹氷を見るためだけでも利用可能です。
宮城蔵王すみかわスノーパーク
宮城蔵王すみかわスノーパークでは、「ワイルドモンスター号」という暖房付き雪上車に乗って、専属ガイドの軽快なトークを楽しみながらさまざまな表情をしている樹氷の数々を鑑賞できるツアーがあります。樹氷原では雪上車を降りて、10分ほど鑑賞できます。またこちらのスキー場では、「樹氷の家」と呼ばれる天然のかまくらも楽しむことが出来ます。「樹氷」の骨格となっている「アオモリトドマツ」に雪が降り積もると、雪の重みに下方の枝が垂れ下がり、木の幹を中心にぐるっと空間ができあがります。それを「樹氷の家」と呼んでいます。
大人が10人入ってもまだ大丈夫!ライトアップされて幻想的な光景が広がります。
宮城蔵王すみかわスノーパークには、リフトがある普通のゲレンデでスキーやスノボもを楽しめるスキー場ですが、ここでぜひ体験してほしいのが「みやぎ蔵王の樹氷めぐり」と「樹氷の家めぐり」です。この2つは、スキーができない人や子供でも参加できます。また、この他にも、雪上車で蔵王刈田岳山頂に上り、そこから樹氷原をスキーで下る上級者向けのコースもあります。なお、このコースの雪上車と降りた場所はとても厳しい冬山です。特殊な装備やガイドが必要です。また、このコースは「みやぎ蔵王の樹氷めぐり」と同じ雪上車を使います。
■ 基本情報
- ・名称:宮城蔵王すみかわスノーパーク
- ・住所:宮城県刈田郡蔵王町 遠刈田温泉字倉石岳国有林内
- ・アクセス:東北新幹線白石蔵王駅からバスで90分
- 東北自動車道白石ICから県道12号、蔵王エコーラインをスキー場方面へ車で60分
- ・営業時間:ワイルドモンスター号:11:00~13:00(土日は13:00~15:00のツアーあり)
- 樹氷の家めぐり:17:30~18:40
- ・電話番号:0224-85-3055
- ・料金:ワイルドモンスター号: 大人 4700円 小人 3800円
- 樹氷の家めぐり:大人 3000円 小人 2500円
- ・公式サイトURL:http://www.zao-sumikawa.jp/
山形蔵王温泉スキー場
ロープウェイを乗り継いで、日中はデイライトの中で青空に映える樹氷、夜はライトアップされた幻想的な樹氷を見ることができます。昼と夜では違った顔を見せてくれます。こちらは「昼の顔」。今にも襲いかかってきそうです!
http://skitengoku.blog63.fc2.com/blog-entry-462.html
一方、こちらは「夜の顔」です。漆黒の闇の中、樹氷が浮かび上がっています。https://ssl.yamagatakanko.jp/gallery/data/img/nat/nat011.html
一部ナイタースキーが可能ですが、蔵王ロープウェイは樹氷ライトアップ観光専用になっているので、スキー、スノーボードの方は乗ることができませんのでご注意ください。特に地蔵山頂駅付近は日中でも氷点下になることが当たり前で、吹く風も痛く感じるほどです。スキーウェア+手袋+帽子、耳当て+フェイスガードなど防寒対策は万全にお出かけください。山形蔵王温泉スキー場には多くのゲレンデがありますが、樹氷を見ながらスキーを楽しむならユートピアゲレンデです。蔵王ロープウェイ山麓線の樹氷高原駅で降りたら、そこはもうユートピアゲレンデ。標高が高いこのゲレンデは、他のゲレンデよりも滑走可能にある時期が早く、春も5月連休まで滑走が可能です。また、緩やかな斜面が続いていることから、初心者でも十分滑走することができます。樹氷を見ながら、スキーやスノボを楽しんでみませんか。
■ 基本情報
- ・名称: 山形蔵王温泉スキー場
- ・住所: 山形県山形市蔵王温泉
- ・アクセス:山形駅からバスで50分
- 山形自動車道山形蔵王ICから西蔵王高原ライン経由で16.5km
- ・営業時間: 8:30~17:00
- ・電話番号: 023-694-9328
- ・料金: 大人 2500円 小人 1250円 (ロープウェイ往復運賃)
- ・オススメの時期: 12月下旬~3月上旬
- ・公式サイトURL: http://www.zao-ski.or.jp/gerende/