柳の枝が揺れてしっとりとした京情緒が漂う白川のほとりに、今春オープンした「吉祥菓寮 祇園本店」。2階のティールームでは、ていねいに自家焙煎したコクのあるきな粉や、上質な抹茶を使ったスイーツが味わえます。
1階がパティスリー、2階がティールームになっています
市バス・知恩院前から徒歩1分。浄土宗総本山・知恩院の古門そばにたたずむお店は、和モダンで落ち着いた空間。
1階パティスリーのショーケースには、きな粉や宇治抹茶、オーガニック素材を使ったケーキやシュークリームが並びます。焼き菓子やジャム、葛菓子などおみやげにぴったりな和洋のスイーツもそろっていて、つい目を奪われてしまいますが、まずは階段を上がって2階のティールームへとまいりましょう。
きな粉のおいしさを存分に味わえる「本わらび餅」がいちおし
「本わらび餅」きな粉はふだん控えめな存在感ですが、こちらでは、主役級の魅力を伝えてくれます。
南九州産の本わらび粉を100%使った「本わらび餅」(810円)には、キメ細かな深煎りのきな粉がたっぷり。豊かな香りをともなって口の中でやわらかに弾むわらび餅は甘さ控えめ。きな粉そのもののやさしい甘さが際立ちます。コクがあって香ばしいのに豆本来の甘さもしっかりと保たれているのは、選りすぐりの国産大豆のなかでも大粒のものをもちいているからなのだそう。別添えの黒蜜をかけてもおいしいけれど、きな粉の風味を満喫したいときは、ぜひそのままで。
1階ショーケースに並ぶ生菓子もティールームでいただけます。きな粉のスポンジ生地とフルーツの取り合わせが新鮮な「きな粉のフルーツショートケーキ」をはじめ、きな粉スイーツが充実しています。
「きな粉のフルーツショートケーキ」(548円)「焦がしきな粉ロールカット」(378円)「きな粉のスフレチーズ」(270円)
おいしいきな粉。そのひみつをそっと教えましょう
江戸時代中期に京都・桂離宮のそばで菓子茶房を創業、昭和初期に13代が創業した店が煎り大豆を商品化し、初めて節分豆として販売したことが「吉祥茶寮」のルーツ。きな粉を生かしたスイーツがお得意なのも納得です。
きな粉はシンプルだけれど、とても奥の深いもの。大豆を煎る「焙煎」の工程がとても大切で、一分一秒の違いで風味や香りががらりと変わってしまうのだとか。また、原料となる大豆が良質であることもおいしいきな粉の決め手。「生産者さんの顔を見て、この人の豆でお菓子作りをしたいと思えるかどうかが大切です」と語る16代目社長の北川聡さんは、理想の大豆を求めて自ら各地に足を運ぶことも。
清々しい緑色に癒される。香り豊かな抹茶スイーツも評判です
上から、「茶の雫ロール」、「抹茶生クリーム大福」、「古都の葉かさね」宇治の老舗茶舗・丸久小山園の抹茶を使ったスイーツも人気。「抹茶デザートプレート」(864円)は、3種の抹茶スイーツが味わえるうれしい一皿。米粉をもちい、シフォンケーキのようにふんわりと軽やかに焼き上げた「茶の雫ロール」は、マーブル状になった2種のクリームの中に濃茶のゼリーが散りばめられています。「古都の葉かさね」は、上から、アーモンドプードル入りのスポンジ、生チョコ、ブラウニーと、抹茶スイーツが3層になっているから、味の変化が楽しく、ちょっぴりお得な気分に。白あんベースにの抹茶あんと生クリームが好相性の「抹茶生クリーム大福」のほか、味のアクセントにアーモンドチュイールときな粉ミルクジャムも添えられています。
春には桜をテーマにしたデザートプレート、夏にはかき氷など、季節限定メニューも登場していて、秋には丹波大納言の小豆と本わらび餅をコラボレーションさせたぜんざいや、きな粉アーモンドミルクなど、独創的な新メニューがお目見えの予定。甘味処の激戦区・祇園エリアでこれから目が離せない一軒となりそうです。
■ 基本情報
- ・名称: 吉祥菓寮 祗園本店(キッショウカリョウ ギオンホンテン)
- ・住所: 京都府 京都市東山区古門前通東大路東入ル石橋町306
- ・営業時間: 10:00~19:00(2階ティールームは11:00~)
- ・定休日: 無休
- ・電話番号: 075-708-5608
- ・公式サイトURL: http://kisshokaryo.jp/
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
【ことりっぷの関連記事】
- 秋にぴったりのおいもと芋蜜のスイーツ専門店。芋蜜ソフトクリームや大学芋をいただきます
- 京都・嵐山のリバーサイドカフェで絶品スイーツと美景を味わう
- 京都・祇園であんこスイーツ専門店を発見。新たな魅力にうっとり
© Shobunsha