Cyril Bèle
奈良県生駒郡斑鳩(いかるが)町の静かで穏やかな雰囲気の中にユネスコの世界遺産(文化遺産)として登録されている法隆寺や法起寺の建造物があります。のんびりと散策するだけでも時代を忘れさせてくれる空間がそこに広がっています。法隆寺地域の仏教建造物とは?
JR法隆寺駅から徒歩20分程度のところに法隆寺があります。この法隆寺をはじめとするこの地域の仏教建造物は教科書でおなじみの聖徳太子と縁が深く、中国の六朝時代の建築の影響を多く受けています。法隆寺から1.5キロ北東に国内最古の木造建築物として有名な三重塔が残る法起寺があります。この世界遺産には法隆寺の建造物47棟と法起寺の三重塔を加えた48棟が含まれています。
いにしえの法隆寺・法起寺
世界最古の木造建築物である法隆寺
法隆寺は飛鳥時代の姿を現在に伝える世界最古の木造建築として有名です。また、日本で初めてのユネスコ世界文化遺産の登録を果たしています。推古天皇と聖徳太子が当時、病気で治癒を切望しつつ、亡くなられた用明天皇のご遺願を継いで、607年に寺とその本尊「薬師如来」を造られたのがこの法隆寺であると伝えられています。 現在、法隆寺は広さ約18万7千平方メートルの境内に西院伽藍と東院伽藍があります。西院伽藍には塔・金堂等があり、東院伽藍には夢殿を中心に配されています。それらの中には国宝・重要文化財に指定されたものだけでも約190件、点数にして2300余点に及ぶ宝物等があります。三重塔で有名な法起寺
法起寺は、もともと尼寺として建立されました。その伽藍配置は独特で東に塔を西に金堂を配したもので、法隆寺西院や法輪寺とは位置が逆転しており、法起寺式と呼ばれています。その中には708年に創建された現存最古の三重塔があります。建立後は、天災や老朽化の影響で何度も大修理が行われたため、建立当初の形式は明らかではありません。しかし、昭和45年から50年にかけて解体修理が行われ、その際にそれまでの研究成果を踏まえた復元がなされ、現在に至っています。春夏秋冬:季節を感じる法隆寺
かわいいピンクが広がる春
3月末頃に夢殿の東北にあるしだれ桜の蕾が膨らみはじめ、4月初旬には満開となります。東大門付近の桜並木が名所で、西院廻廊の東出口や大講堂の西にある桜もとてもきれいです。しかし、西円堂付近は参詣者があまりいないため、ゆっくりと桜の美しさを感じることができるでしょう。また、お彼岸には聖徳太子の命日法要「小会式」が行われます。灼熱の赤に染まる夏
毎年5月16日から、夏の代表行事である「夏安居」が始まります。8月15日まで毎日、西室で説法があり、各年ごとに法華経と勝鬘経・維摩経の講義が行われます。 この時期には法隆寺夏季大学が開講され、全国各地から老若男女問わず多くの受講者が、仏教、仏教史、仏教美術、建築、考古などについて受講されます。9月半ばには赤い彼岸花が咲き始めます。色とりどりの秋
9月末にはすすきの穂が見え始め、柿や紅葉の木も色づき始めます。11月にもなると、紅葉シーズンになり西円堂の石段近くが見ごろとなります。10月中旬には、天満宮の祭りがあり、11月13日には「慈恩会」が行われます。「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」正岡子規の有名な句です。法隆寺で秋を感じ、詠んだ句です。文化の秋に法隆寺と秋をテーマに俳句を詠んでみるのも粋な楽しみ方でしょう。白化粧が映える冬
盆地である奈良にはとても厳しい寒さが訪れます。寒波が押し寄せ、雪を散らかす時もあります。そんな中でも悠然と佇むお寺に壮厳さを感じることができます。正月、金堂や大講堂では「修正会」が行われます。この法要は、法隆寺を代表する行事です。「夢殿の十一面観音悔過」や「金堂壁画焼損自粛法要」、「西円堂の薬師悔過」、玄奘三蔵の命日に行われる「三蔵会」などの諸行事が続き、最も忙しい時期となります。参加者の声
http://www.rurubu.com/review/list.aspx?spotid=JW000001
基本情報
- ・名称:法隆寺
- ・住所:奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1の1
- ・アクセス:JR法隆寺駅より徒歩20分、もしくは奈良交通バス「法隆寺門前」バス停下車
- ・営業時間:午前8時~午後5時(2/22~11/3)午前8時~午後4時半(11/4~2/21)
- ・電話番号:0745-75-2555
- ・料金:一般1,500円/小学生750円(西院伽藍内、大宝蔵院、東院伽藍内共通)
団体拝観は、30名以上 - ・所要時間:2時間
- ・オススメの時期:年中
- ・公式サイトURL:http://www.horyuji.or.jp/