Yoshizumi Endo
吉川英治さんは明治25年(1892)に横浜で生まれました。30歳を過ぎてから執筆活動を始め、作品数は240あまり。庶民の心に寄り添う作品は、多くのファンを虜にしました。「朝の来ない夜はない」が座右の銘だったそうです。その吉川さんの住まいが記念館として残されています。吉川英治記念館とは?
「宮本武蔵」「新平家物語」などの著書で知られている吉川英治さんは、太平洋戦争中の昭和19年3月、家族とともに赤坂から青梅に疎開し、昭和28年3月まで約9年間、この地で暮らしました。その住まいが一般公開されています。*2015年は12月から閉館。2016年より、3、4、5、9、10、11月の6ヶ月間のみの開館となります。どんな魅力が?
吉川さんは生涯30回も引越しをしたそうで、そのほどんとが借家でした。この青梅の家は例外的に、元蚕農家だったものを買い取ったもので、吉川さんの思い入れが伺えます。母家や書斎、広い庭園が当時の姿のまま残されていて、とても興味深い場所となっています。吉川英治記念館の見どころ
展示室
「宮本武蔵」「新・水滸伝」「三国志」など、吉川さんの残した原稿やゲラや挿絵、初版本などの他、書画などが展示されています。記念館には蔵書を含む約2万点の収蔵資料があり、そのうち300点あまりを入れ替えて展示しています。屋敷
屋敷は広く、母屋や蔵、離れなどがあります。離れは明治中期に建てられた洋館で、テラスが付いています。当時テラスが付いた家はとても珍しかったそうです。吉川さんは青梅に暮らしている間、前半はこの離れで、後半は母屋で執筆したそうです。母屋には「新・平家物語」を執筆したという書斎も残されています。庭
樹齢500~600年と言われる椎の木が庭にあります。吉川さんはこの下で野点を催したそうです。また遊歩道には四季折々の花が咲き、ミツバ、ミツマタ、ネジ、ツユクサ、マンリョウ、ロウバイなど珍しい花々や山草を見ることができます。口コミ
吉川英治記念館に来た。山の中^^; pic.twitter.com/KGo5yqV4h3
— 金沢 勝 (@spythe7) 2014, 10月 25
吉川英治記念館はなかなかよかった。洋館の離れの書斎は、建物マニアとしてはたまらない。タイルも紐による上げ下げ窓も「−」のネジもドアノブも当時のままで貴重。母屋のガラスは歪みのある昭和初期の板ガラスのまま。手入れされた庭も素晴らしい。 pic.twitter.com/EF401ACmak
— pragmatism (@suteki_jam) 2014, 4月 27
(2014/1/11) 『校訂 通俗三国志』二巻(博文館、1893) いわゆる帝国文庫に収録された『通俗三国志』。吉川英治が執筆のときに見ていたのがこれ。書き込みがされた残欠本が現在も吉川英治記念館にある #一日一蔵書にゃも pic.twitter.com/j5aQ32FG2R
— にゃも (@AkaNisin) 2014, 1月 11
■ 基本情報
- ・名称:吉川英治記念館
- ・住所:東京都青梅市柚木町1-101-1
- ・アクセス:【電車】二俣尾駅出口2出口から徒歩約14分 【車】中央高速〈八王子〉インターチェンジからおよそ45分
- ・営業時間:10:00~17:00(11~2月は16:30まで。いずれも入館は閉館30分前まで)
- ・定休日:月曜日(祝日の場合はその翌日)、年末年始(12月25日~1月5日)
- ・電話番号:0428-76-1575
- ・料金:大人500円、学生400円、小人300円(小学生未満は無料)、障害者割引あり(本人のみ100円引)
- ・公式サイトURL:http://corp.kodansha.co.jp/yoshikawa/index.html
訪れる人が少なく開館は年に6ヵ月間になってしまいましたが、周辺の自然もすばらしいので是非訪れてみて下さい。