Ryosuke Yagi
東慶寺はJR北鎌倉駅から徒歩3分のところにある、縁切りの観光スポットとして有名な場所です。お寺にはそれぞれいわれがありますが、ここは今から約720年前に北条時宗の奥様である覚山志道尼が開創しました。この時代は女性側から離婚することが出来なかったのですが、この寺院は現在の家庭裁判所のような役割を果たしていたため、離縁を実現させたい!という方々がたくさん訪れていたことから、現在でも恋愛で悩みを抱えている人が足を運んでいます。気になる方はアクセスもいいので、見どころなどをチェックして訪れてみてはいかがでしょうか。
1.東慶寺とは
東慶寺
東慶寺の開山は、北条時宗の妻、覚山志道尼です。 「縁切法」を使って逃げ込んできた不幸な女性を助けたので、 「駆け込み寺」や「縁切り寺」と呼ばれました。
東慶寺は徳川幕府公認の縁起り寺だったそうで、縁起り寺は全国各地にいくつかったそうですが、幕府公認というのは東慶寺のほかに群馬県に鎮座する満徳寺しかなかったと言われています。
俳優・大泉洋さん主演の「駆込み女と駆出し男」の舞台にもなったんですよ。
尼寺ではありますが。ここに駆け込んだから尼にならなくてはならないわけではなかったようです。あくまでも夫の横暴から逃れ縁を切る為に設けられたようですね。昔から、夫の暴力に悩む女性が多かったということなんでしょう。
http://akemaru.at.webry.info/201405/article_27.html
封建時代、女性の側から離婚できなかったのですね。以来、明治にいたるまで縁切りの寺法を引き継いできました。
http://www.kamakura-burabura.com/meisyokitakamakuratoukeiji.htm
2.東慶寺の5つのみどころ
松ヶ岡宝蔵
東慶寺にある寺宝を展示する建物です。なかには縁切り状など、貴重な古文書などもあります。「縁切寺」がどのような方法で離縁を成立させたか、どのような実例だったのか、その歴史を知ることが出来ますよ。そのほか釈迦如来坐像や聖観音菩薩立像、水月観音菩薩半跏像などをはじめとする文化財も必見ですよ。さまざまな特別展示も行われています。
実際に提出された、「三行半(みくだりはん)」といわれる離縁状や仏像などもこちらでみることができるので、歴史を感じることもできますし外のテラスで美しい花を眺めながら一息いれたりと色んな楽しみ方ができます。
http://470830.at.webry.info/201406/article_2.html
かつては鎌倉にあった太平寺という尼寺から、室町時代にきた仏像です。 木造聖観音立像(国重文)
衣装の模様は、土を落雁のように型抜きして貼りつけたもの。「土紋」というそうです。
先述にもありますが、松ヶ岡宝蔵に展示されている寺宝のひとつです。里見氏に持ちだされ、のちに東慶寺の要山尼が取り返したという経緯から、こちらの寺院に安置されています。
関東大震災で鎌倉も大きな被害を受けました。東慶寺に収められていた国宝「聖観世音木像」は焼失してしまったそうですが、重要文化財としてこちらが残されているだけでも奇跡に近いのです。神々しいまでの美しさにひと時を忘れてしまいます。
http://www.tokeiji.com/heritage/sho-kannon/
「土紋」は鎌倉特有のようで、他地域ではみられません。 「土紋」はこの像の衣類に施された模様を指します。中国発祥の技法で、この地域でしか受け入れられなかったそうです。
文学碑/「田村俊子記念碑」
山門を入ると左手にあります。文学者にゆかりのある寺らしく、境内には他に佐佐木信綱歌碑、高見順詩碑などがあります。
文学碑の表面には田村俊子の代表作「女作者」の一文が、裏面には田村俊子の略歴が刻まれています。脳溢血により上海で亡くなったそうですが、旧友であった翻訳家・湯浅芳子らによって墓が設けられ、のちにこの文学碑が建てられました。
山門前にある夏目漱石の石碑にも注目したいもの。鎌倉の尼寺ろ言えば、武家のお堅いイメージがありますが意外なことに、柔らかな雰囲気もありゆったりした雰囲気があります。多くの文豪がその穏やかさを愛したのかも知れませんね。
http://syosaiyojohan.blog.so-net.ne.jp/2012-01-07
花の寺 東慶寺
季節ごとに花が咲き乱れる東慶寺。春のハクモクレン・シャガ、 夏のハナショウブ・アジサイ、
秋のヒガンバナ・ハギ・キンモクセイ、冬はロウバイ・スイセン・ウメです。
特に毎年6月頃は境内に色とりどりの花々が咲き乱れ、1年で一番美しい彩りを見せると言われていますが、中でも最も人気と言われているのが「イワガラミ」です。普段は立ち居入れない本堂裏に咲き、特別公開されるんです。
梅が有名ですが、アジサイの種類が多いのも鎌倉ならでは。「黒姫」「額」「柏葉」は一度にみる事ができるので、シーズンには海外からの観光客も多くなります。現世を憂い、仏に使える身になった尼の心を癒したのだと思うと愛しさも深まるもの。
写経
白連舎(立礼茶室)で 毎月第2土曜・日曜の8:00からおこなわれます。菖蒲畑の奥の白蓮舎は、見ているだけでもきれいですね。
本堂で読経をあげたあと、写経を体験するという流れになります。江戸時代創業の老舗和紙屋さんで注文されている東慶寺の写経専用の和紙は、日頃使用している紙とは全く違う書き心地ですよ。自分を見つめなおすチャンスなのでぜひ体験してみてください。
写経することで功徳を得られるという意味から、最近では色んなお寺で写経が行われています。写経をすることは、リラックス効果があることでも知られておりストレス解消にも大きな意味があるとされています。尼寺であることから、女性の参加者も増えていますので機会があれば是非どうぞ。
3.ショップまつがおかで お土産探し
一筆せん
女性に大人気の「木下 春」文具シリーズのひとつ。木下 春は 前田青邨門下の女流日本画家です。
戦前しばらく寺の「はなれ」に住んでいたそうですよ。
東慶寺には「はなれ」に住んでいたころに描かれた絵・短冊・色紙が数多く残されているそうです。グッズには下の写真のような植物の絵が多いのですが、これらは境内に咲く四季折々の美しい植物を写生したものなんです。
SNSの普及で、手紙を書く機会がすっかりなくなってしまった現代人。ときには、親しい人にあてて手紙を書いてみてはいかがでしょうか。美しい筆せんに心を込めて一文字一文字書いていくと不思議と心も穏やかになっていきますね。
http://www.tokeiji.com/shop/kinoshita-haru/
細やかな線で色彩もとてもやさしいのが特徴です。東北応援ミサンガ
被災地復興支援の一助として、 被災者が手作りしたミサンガなど販売しています。東北、がんばれ!
こちらのショップでは、ミサンガのほかにも手提げバッグ・ランチバッグ・ランチョンマット・ペンケースも販売されています。被災者の経済的な自立の応援になりますので、ぜひショップに立ち寄った際は見てみてください。
まだまだ復興は終わっていない震災の爪痕が残された東北。記憶に新しいところでは、熊本でも震災がありました。もはや他人事では済まされない震災の爪痕は、多くの人の心を蝕んでいきます。私たちに出来る事はほんのわずかですが、旅行に行った際でも忘れずにおきたいものです。
http://www.tokeiji.com/shop/others/
東慶寺 わさんぼん
東慶寺本堂のデザインを、オリジナルの干菓子にしたもの。鎌倉の老舗和菓子店「大くに」で丁寧に手作りされています。
通常の砂糖とはまた異なる独特の優しい甘みとコク深さ、きめ細かくまろやかな口当たりがたまらない逸品です。高級砂糖と言われるだけあって、たいへん品のある味わいのお菓子です。お土産にもおすすめですよ。
軽めお菓子なので、お茶にもコーヒーにもとても合い、口当たりもサクサクした感じがたまりません。気の張った方へのお土産にも喜ばれるので、上司への旅行土産にいかがでしようか。細かく砕けば、子供も食べやすいですね。
http://www.tokeiji.com/shop/others/
香りは白檀がベース。3種類あります。 麻布香雅堂謹製 「推古シリーズ」
「雪」「月」「花」の違いは桂皮・丁子などを調合して出しています。
白檀がベースとだけあって、甘いながらも爽やかでとても上品な香りが特徴です。お香を立てるときの香皿や、ハートや丸を型どったカラフルで可愛らしい香立ても販売されていますよ。部屋で立てれば女子力アップ間違いなしです。
香は精神を安定させ、リラックスさせる効果があります。品のある香りは、心を穏やかにしてくれるだけでなくテンションも高くしてくれますよね。友達や家族のおみやげにも喜ばれること間違いなしなので、自分のセンスで選んでみましょう。
http://www.tokeiji.com/shop/incense/
蒔絵ランチボックス
東慶寺には、豊臣秀頼の娘で東慶寺第二十世住持であった天秀尼ゆかりの東慶寺蒔絵があります。それにちなんだ蒔絵ランチボックス。はなやかで、しっとりしています。
東慶寺蒔絵とは、桃山時代から江戸時代初期の蒔絵の作品郡で東慶寺が所蔵しているものを指します。東慶寺は一般人がみだりに出入り出来ない地であり、徹底的に管理されていたため散在を免れたと言われています。シンプルでありながら豪華なデザインが魅力的です。
http://www.tokeiji.com/shop/tokeiji-makie
5.基本情報
■ 基本情報
- ・名称: 松岡山 東慶寺
- ・住所: 鎌倉市山ノ内1367
- ・アクセス:JR北鎌倉駅より徒歩3分
- ・拝観時間: 通常8:30~17:00 冬季(11~2月) 8:30~16:00 松ヶ岡宝蔵9:30~15:30
- ・休み:なし
- ・電話番号:0467-22-1663
- ・拝観料: 大人(中学生以上) 200円 小学生 100円
- ・所要時間:約1時間
- ・オススメの時期: 通年
- ・公式サイトURL:http://www.tokeiji.com/pc/
東慶寺の歴史や見どころについて詳しくなりましたか?足を運ぶことで心が清められて落ち着くという口コミもありますが、さすが徳川幕府公認の縁切りスポットと言われている名所ですね。近隣には海や大仏、神社やグルメなど、色々な観光スポットが揃っていますので、古文書や工芸品の重要文化財を見たり、写経体験をしてリラックスする為に散歩がてら立ち寄ってみるのもおすすめです。夏には花火大会も開催されるなどイベントもたくさんあるエリアなので、ゆっくりと過ごしてくださいね。