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身近な繊維の多くを手掛ける旭化成。近代化学工業の先駆けとなった施設が宮崎県延岡市にあります。着物から洋服へと変化していった繊維の歴史を見ることが出来る旭化成工業遺産群は、歴史的遺産として後世に語り継がれていくべきものなのです。1、旭化成工業遺産群とは?
大正12年に、イタリアで特許を購入したカザレー式アンモニア合成法を世界で初めて実用化したのが延岡工場です。イタリアのフィレンツェ社製、英国のアームストロング社製の装置を使い化学工場を次々と建設していきました。レーヨン、ベンベルグ等も旭化成の工場で作られたんです!近代化学工業の先駆けとなった施設から、近代化産業遺産登録された機械まで見学をすることが出来ます。
2、旭化成工業遺産群のみどころ
1、カザレー式アンモニア合成塔
経済産業省産業遺産として、旭化成の代表でもあります。このカザレー式アンモニア合成塔で国内初のアンモニアが生産された事が延岡を世界に知らしめる事となったのです。
旭化成愛宕事業正門には、カザレー式アンモニア合成塔に混合圧縮機が展示されカザーレ広場と名付けられ当時の様子を偲ばせます。ハンク式紡糸機ベンベルグ紡糸機で、今ではキュプラとも呼ばれる艶のある繊維を作り出します。綿や絹が中心の日本ではこのような合成繊維は画期的です。
2、バタワース式レーヨン紡糸機
ハング式紡糸機と同時に近代産業遺産にも認定された画期的な紡糸機械。メカニックで重厚な姿は、見るだけでも価値があります。歴史の重さに加えて、アート感のある一枚の画として暗闇に光る幻想的な姿が一部のマニアにも萌えを感じさせるとか。
3、ベンベルグ工場
今でもベンベルグを生産している工場は延岡だけ。ここでは創業から稼働を続けていた、ハンク式紡糸機が展示されています。メカニックな美しさは、繊維を作るだけとは思えないくらい。今でも稼働しているので、製造過程の見学も出来ます。
4、展示センター
旭化成の高い技術力と生産力は、国内だけでなく世界的に誇れる素晴らしいものです。化学工業の歴史と、地域と繊維との深い繋がりなどを展示物から見てとることが出来ます。じかに製品に触れたりもできて、展示センター内には未来化学を彷彿させる展示物もたくさんあります。
5、旭化成愛宕事業部正門
カザーレ広場と呼ばれ、カザーレ式アンモニア合成塔に混合ガス圧縮機が展示されています。未来感のある機械が、大正時代のものとは思えないぐらい近代的ですよ。建物の中には資料室があり、当時の機械の運転日誌を見ることも出来ますよ。
3、旭化成工業遺産群を知る声
カイロといえば使い捨てカイロだが、これは1975年、アメリカ陸軍が使用していたフットウォーマーを元に、旭化成工業が九州でのみ「アッタカサン」を発売。それを原型にして、日本バイオニクスが1978年に開発、ロッテの子会社であるロッテ電子工業が「ホカロン」の商品名で ~続く~
— 内 山 徹 (@berrajeter) 2012, 11月 24
★使い捨てカイロのはじまり★使い捨てカイロは鉄がさびるときに出す酸化熱を利用。使い捨てカイロは朝鮮戦争で防寒用具として用いられていたものを旭化成工業が注目し1975年に発売し、1978年にロッテ電子工業がホカロンを発売しました。 pic.twitter.com/ENl9h2Mlu6
— 昆野眞也 (@kasufan) 2015, 1月 9
4、旭化成工業遺産群の詳細
基本情報
- ・名称:旭化成延岡展示センター
- ・住所:延岡市旭町6丁目4100番地〈向陽倶楽部内〉
- ・アクセス:車/南延岡駅から4分、宮崎空港よりR10で3時間
- ・営業時間:9時~12時、午後13時~15時
- ・定休日:土・日曜、祝祭日、年末年始
- ・電話番号:0982-22-2070
- ・見学:要予約
- ・公式サイトURL:http://isan.kanko-miyazaki.jp/search/search.php?key=25&kbn=evn