Arian Zwegers
インドにあるシク教の総本山・黄金寺院(ハリマンディル・サーヒブ)では、毎日10万食におよぶ食事が無料提供されています。同院の風景から食のあり方を見つめたドキュメンタリー「聖者たちの食卓」は、忙しい日々のなか見失いがちな、食事をともにする喜びを教えてくれます。その黄金寺院(ハリマンディル・サーヒブに迫ります。
黄金寺院とは?
北インドにあるシク教(あるいはシーク教)の総本山である黄金寺院。現地の言葉でハリマンディル・シャーヒブと呼ばれるここは、巡礼の地であり、観光スポットとしても知られている場所です。広大な敷地内には、時計塔や博物館などがあり、いずれも見応えのある建築物となっています。黄金寺院の共同食堂「ランガル」
ランガルでは、毎日10万食ものカレーが作られ、訪れた人々に振る舞われます。ここでの食事は、カースト、信仰する宗教などを全ての垣根を越えて、すべての人に対して無償となっています。貧富の差が激しく、カーストが表向きはともかく、潜在的に残るインドにおいて、誰もが平等に、一緒に食事することができるとても慈悲深く神聖な場所なのです。毎日小麦粉2,300kg、豆830kgという膨大な量の食材はすべて寄付によってまかなわれおり、調理も約300人のボランティアが担っています。これは500年以上続く、宗教的な行為であり、なによりも、日常の営みだということに驚きですよね。
神対応に至った理由
無料食堂は、シク教の「カーストや信条に関係なく、みな平等である」という教えを守るため作られました。無料食堂の特徴は、老若男女はもちろん、それ以上に貧富や階級の差がなく、みんなが一緒に食事をするというところにあります。シク教はカーストを否定しているので、すべての差異を超えるという点が非常に重要です。なので、この食堂も同じ場所・高さで並んで食べ、一緒に礼拝をするところに意味があるとのことです。まさに、シク教の理念を現実化した場所といえるでしょう。
基本情報
■ 基本情報
- ・名称:ハリマンディル・サーヒブ
- ・住所:パンジャーブ州_(インド)
- ・定休日:無休
- ・公式サイトURL:http://www.sgpc.net/
素材提供:トリップアドバイザー