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あじさい寺として名高い岡山県美作市(旧英田郡作東町)にある大聖寺は「宮本武蔵」ゆかりのお寺で、吉川英治は『宮本武蔵』を執筆するにあたって、構想を練るためにこの大聖寺に滞在して生まれた作品です。その他にはどんな見どころがあるのか、みてみたいと思います。
1.「岡山の大聖」とは?
738(天平10)年に桓武天皇の勅命で、行基菩薩が建立しました。正式には「恵龍山 別格本山 大聖寺」といい、大覚寺の別格本山です。開山以来、真言密教の道場として、また弘法大師も訪れたため「西の高野山」と言われるほど隆盛をきわめました。しかし、1578(天正6)年、豊臣秀吉の上月城攻めでほとんどの塔堂が焼け、復興後に再び兵火で1600(慶長5)年に焼失。以後、1604(慶長9)年頃、初代津山藩主である森忠政が築城時に城主祈願所として再建したといわれています。
2. 岡山の大聖の魅力は?
宮本武蔵ゆかりの古刹であり、あじさいや四季折々の花や山野草に囲まれた自然美に触れられ、「山陽花の寺二十四か寺」の第十三番札所、「西国愛染明王霊場」の第七番霊場、「近畿・中国・九州三十三観音霊場」の別格霊場、「西日本・播磨 美作七福神霊場」の福の神、大黒天神様の霊場と魅力たっぷりです。3.岡山の大聖のみどころは?
あじさい花まつり
あじさいの名所である大聖寺は、毎年6月中旬~7月中旬に多くの人が訪れます。期間中はイベントも行われます。大自然の中のあじさいや、自生した銀梅草などの草花の庭園も見どころ満載です。事前予約が必要ですが、御寺(みてら)料理もいただけます。詳しい開催日時はホームページまで。寺宝・文化財
ご本尊の不動明王様と愛染明王様は秘仏でしたが、2003(平成15)年より随時拝観できるようになりました。不動明王様は33年に一度公開され、次回は2026(平成36)年です。他にも如意輪観音菩薩様や御所絵巻屏風、狩野雅楽助や狩野永徳の筆による画や狩野宗信作の襖絵なども見ることができます。幻の秘花『仙翁花』
8月20日頃に開花する『仙翁花(センノウゲ、センオウゲ)』は、1848(嘉永元)年京都嵯峨御所(現在の大本山大覚寺)より、愛染明王様に供える仏花として『嵯峨御流花伝書』と共に株分けされたものを、歴代山主様が大切に守り育ててきました。『仙翁花』は1300年頃、中国より京都・嵯峨仙翁寺に伝わり、その後中国でも絶滅し、仙翁寺廃寺と共に途絶えたと考えられていました。それが近年、ある植物学者により大聖寺の『仙翁花』が絶滅した秘花とわかりました。室町文学にある「草丈四~五尺」と、大聖寺の『仙翁花』は花丈150㎝前後で一致します。
国内の約10ヶ所で栽培されている仙翁花は20~60㎝前後の花丈で、大聖寺の『仙翁花』とは大きく異なります。そのことは大聖寺『仙翁花』が地球上唯一の貴重な純潔種秘花であるということです。愛染明王様の赤に映える貴重な真っ赤な花を、大聖寺『仙翁花』をご覧ください。
4.岡山の大聖の詳細
■ 基本情報
- ・名称:別格本山 大聖寺
- ・住所:岡山県美作市大聖寺1
- ・アクセス:車:中国道・作東I.C.から国道179号線川北交差点で県道5号線豊野(脇田橋)で案内板に沿って大聖寺へ(約20分)
- ※注意:一部のナビで旧道を通るルートを指示されることがありますが、旧道は幅員が狭く危険ですので、県道5号線の豊野から入るルート(大型バス通行可)をお勧めします。
- 電車・バス:中国ハイウェイバス バス停:作東下車、タクシーで約20分、
- 又は智頭急行佐用駅下車、タクシーで約25分※岡山から特急「スーパーいなば」で作用まで1時間弱※京都・大阪・明石・姫路から「スーパーはくと」で作用まで、姫路から約40分、
- 又はJR姫新線 美作江見駅下車、タクシーで約20分(本数少ないです)
- ・駐車場:無料(普通車100台、バス10台)、※あじさい花まつり期間中(交通規制・誘導を実施します)は普通車 1台500円、バス 1台2,000円
- ・拝観時間:受付8時~16時半 閉門17時
- ・電話番号:0868-76-0001
- ・入山料:無料(あじさい花まつり期間中はご志納金として500円ご協力をお願いしてます)
- 本坊・客殿のご拝観(内拝)は内拝300円/お茶席(抹茶・和菓子)付き500円(あじさい花まつり期間中は内拝無料、お茶席(抹茶・和菓子)500円、
- お食事(御寺精進料理)は要予約、通年ご用意できます<1日15名さま限定>3,500円より各種コース(お食事時間11時~14時)
- ・オススメの時期:チューリップツリー時期の5月上旬~6月下旬、あじさい花まつりの6月中旬~7月中旬、ハスやウツギ、セトウチホトトギスなどの7月後半~9月頃、幻の秘花大聖寺「仙翁花(センノウゲ、センオウゲ)」の8月20日頃
- ・公式サイトURL:(別格本山 大聖寺ホームページ)http://daisyouji.or.jp/
大聖寺へ行かれる場合は、車か高速バスで行かれた方がいいかもしれません。電車で行くには時間がかかりそうなので、どこか近くで宿泊してからの方がいいですね。