宮城県名取市の「ゆりあげ浜」は、昔は名取の浦と呼ばれていました。871(貞観13)年、十一面観音像が波にゆりあげられたのを漁師に発見されて以来「ゆりあげ浜」となり、仙台藩主が「門の中に水を書いて『閖上』と呼ぶように」とのことで従来の漢字にはない「閖」という字が作られたと伝わっています。
1.「宮城県名取市」とは?
宮城県名取市は、北は仙台市と接する太平洋に面する位置にあります。市内には古いもので4世紀後半の古墳時代前期からのものと推定されるなど、多くの古墳が残されています。戦国時代には相馬氏が、その後は伊達氏により仙台藩に属することとなり、明治を迎えました。2. どんな魅力が?
道祖神を下馬せず通過したことで落馬し落命したと伝えられる実方中将の墓があり、その墓のそばには西行の歌碑や芭蕉の句碑もあります。震災の時の津波にも耐えた名取川沿いにある「あんどん松」は、伊達政宗が植えたといわれています。3.見どころ・お勧めポイント
雷神山古墳(らいじんやまこふん)
雷神山古墳は東北地方最大の前方後円墳で、築造年代は4世紀末から5世紀初めと推定されます。かなり広い地域を統治した豪族の首長の墓と考えられています。出土品は底部穿孔壺型土器や壺形埴輪が出土しています。主軸長約168m、後円部の径及び前方部の幅96m、後円部の高さ12m、前方部の高さ6mです。現在は隣接する小塚古墳(雷神山古墳の陪塚〔※大型古墳とともに古墳群をなす小型古墳で、大型古墳と同一時代に建設されたものをさし、大型古墳の首長の親族、臣下、または副葬品の埋葬のためのものもあり〕と推定)とともに史跡公園として整備され、国の史跡、名取市指定文化財として指定されています。
■ 基本情報
- ・名称:雷神山古墳
- ・住所:宮城県名取市植松字山、愛島小豆島字片平山
- ・アクセス:電車/JR館腰駅から車で7分、車/仙台東部道路仙台空港I.C.から車で10分
- ・駐車場:あり
- ・電話番号:022-384-2111(名取市文化振興課)
- ・料金:入園自由
- ・オススメの時期:4月中旬の桜の時期
- ・公式サイトURL:(名取市ホームページ)http://www.city.natori.miyagi.jp/
- (宮城県ホームページ)http://www.pref.miyagi.jp/
あんどん松
名取川の閖上(ゆりあげ)土手のクロマツ並木のことを「あんどん松」といいます。140mに渡って続く松並木は樹齢は300年を超えており、伊達政宗が遠州(現在の静岡県)から取り寄せ植えた松並木の一部と伝えられ250年を超える歴史を重ねています。このクロマツ並木を「あんどん松」というようになった名前の由来は、昔、松の木にあんどんをつるして河口の閖上港に戻る船の目印にしたところからそう呼ぶようになったそうです。現存する松は震災にも耐え、今も変わらず日本の原風景として静かに佇んでいます。
■ 基本情報
- ・名称:あんどん松(閖上土手の松並)
- ・住所:宮城県名取市閖上字新大塚
- ・アクセス:JRなとり駅からバス(なとりん号)で、バス停:閖上小学校前下車徒歩15分
- ・駐車場:なし
- ・電話番号:022-384-2111(名取市教育委員会)
- ・オススメの時期:夕暮れ時
- ・公式サイトURL: (名取市ホームページ)http://www.city.natori.miyagi.jp/
- (名取市観光物産協会ぷらっとなとりホームページ)http://kankou.natori.miyagi.jp/
名取熊野三社めぐり
名取は東北の熊野信仰の中心地です。熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社をそれぞれ分霊し、紀伊熊野三山と同じ方角の同じ位置関係に勧請しているのは全国でも名取だけです。平安時代後期に高舘丘陵に名取熊野三山が形成されました。
この三社創建には、熊野信仰に熱心な信者の名取老女が紀州より勧請したと伝わっています。高舘丘陵に三山が鎮座する前に勧請し祀られたとされる下余田(しもよでん)地区の熊野三社は、名取老女の墓と伝えられる近くに現在も鎮座しています。
■ 基本情報
- ・名称: 名取熊野三社
- ・住所:宮城県名取市高舘熊野堂字五反田34(名取熊野本宮大社)、他
- ・アクセス:JRなとり駅からバス(なとりん号)で、バス停:那智が丘入口下車徒歩約15分(名取熊野本宮大社)、他
- ・駐車場:あり、無料
- ・電話番号:022-386-2353(名取熊野本宮大社)、他
- ・オススメの時期:春例祭(4月第3日曜頃)と秋例祭(10月第1日曜日頃)
- ・公式サイトURL:(名取市ホームページ)http://www.city.natori.miyagi.jp/
- (名取市観光物産協会ぷらっとなとりホームページ)http://kankou.natori.miyagi.jp/
ゆりあげ港朝市
ゆりあげ港の朝市は県外にも知られる名物朝市で、日曜と祝祭日に開かれます。新鮮な海の幸はもちろんのこと、水産加工品、採れたて野菜、果物、スイーツやたこやき、おでんなどや、その他お食事処や、生花、日用品もあります。震災で大きな被害を受けましたが、平成25年5月には閖上で営業を再開しています。運河を見ながら朝市で買ったものを炉端焼きコーナーで焼いて食べることも出来ます。また季節によってさんま祭りなどのイベントも開催されています。
■ 基本情報
- ・名称:ゆりあげ港朝市
- ・住所:宮城県名取市閖上5丁目23-20
- ・アクセス:車/仙台東部道路名取I.C.から5分
- ・駐車場:あり
- ・営業時間:6時~13時(日曜、祝日)
- ・定休日:月曜~土曜
- ・電話番号:022-395-7211(ゆりあげ港朝市協同組合)
- ・公式サイトURL:(名取市ホームページ)http://www.city.natori.miyagi.jp/
- (名取市観光物産協会ぷらっとなとりホームページ)http://kankou.natori.miyagi.jp/
那智神社から見える眺望と夜景
名取の熊野那智神社は、紀州熊野の那智山に酷似し神社の背後の谷には滝があり不動尊が祀られています。近世では伊達家に崇敬を受け別当寺物響寺の支配下にあり、明治の神仏分離のおりには懸仏などは密かに埋められ守られました。その懸仏・銅鏡41点が国指定に、また懸仏114点が県指定文化財になっています。その名取熊野那智神社のもう一つの見どころは、神門の上の展望台から見える景色です。仙台湾や飛び立つ飛行機などが見られる昼間も楽しめますが、日が落ちてからの幻想的な夜景もまた格別です。ここから少し歩いたところに那智が丘の夜景スポットもあります。
■ 基本情報
- ・名称:名取熊野那智神社
- ・住所:宮城県名取市高舘吉田字舘山8
- ・アクセス:JRなとり駅からバス(なとりん号)で、バス停:那智が丘小学校前下車徒歩約20分
- ・駐車場:あり、無料、車6台程度、中型バス可
- ・電話番号:022-384-4802
- ・公式サイトURL:(名取市ホームページ)http://www.city.natori.miyagi.jp/
- (名取市観光物産協会ぷらっとなとりホームページ) http://kankou.natori.miyagi.jp/
名取市は2011年3月11日の東日本大震災で発生した津波で、旧・閖上町の中心部、旧下増田村の沿岸地域や仙台空港も多くの被害を出しました。現在も復興に向けて一つずつ進んでいるところです。