あらゆる料理とワインのペアリングついて、巷であれこれ語られているが、何か大事な料理を忘れていないだろうか?
そう、カレーだ!これまで、なぜかカレーとワインのペアリングは、徹底検証&議論がなされてこなかった。 ならば、ぜひともやってみよう!ということで、人気漫画「神の雫」(講談社刊)の登場人物・本間チョースケのモデルにもなった、ワインの専門家、本間敦さんに試していただいた。
本間さんテイスティングコメントに引き続き、都内でこだわりカレーとワインが楽しめる厳選9店をご紹介。
ということで、本間さん行きつけのカレー屋、ではなくステーキ店『たくあん牡丹亭』に集合となった。 こちらは名物の肉料理のほか、本格カレーが6種類も味わえるという知る人ぞ知る和食店。(本間さん、さすがに引き出しが広い!)
女将の津野さんが興味津々と見守る中、王道の「黒毛和牛のカレー」からテイスティグを開始。
黒毛和牛の贅沢カレー。とろける和牛の脂と旨みがリッチなコクを醸し出す。マルベックなど濃厚な赤ワインを合わせたい
本間:「タイプにもよりますが、カレーは基本的に個性が強い料理なので、ワインも個性のあるものが合いますね。
ビーフカレーのキーワードは、良質な脂と肉の甘み。凝縮した果実の甘みで肉の脂に負けない濃厚な赤ワインがいい。今日はカリフォルニアのジンファンデルとアルゼンチンのマルベックで試してみます。温かみを感じるジンファンデル種の果実の甘みは、黒毛和牛の脂とシンクロしますねぇ~。おお! 濃厚なマルベック種は、カレーと合わせると逆にワインの甘みやまろやかさが引き立って……ファンタスティコ♪」
ビーフカレーと対照的な「茄子のキーマカレー」なら、また違った選択に。
汁気のないカレーはご飯の甘みが引き立つので、これに合わせるのがポイントだと本間さん。干しブドウから作られるイタリアのパッシート、軽甘口のドイツのリースリングを合わせてみた。
本間:「いや~まいった! リースリングとキーマカレーの相性は素晴らしい! 甘すぎないからパッシートもいい。これ以上甘いアイスワインでは難しいでしょうね」
この後まだまだチョースケの華麗なる冒険は続いたが、すべてをご紹介できないのは残念。最後にまとめてもらうと… 本間:「個々のカレーによって変わるでしょうが、おおまかに言えば、キーマなど穏やかなスパイス使いのカレーと甘みを残した白や甘口ワインは絶妙で、目から鱗のマリアージュでした。ビーフカレーなど脂質が多くスパイシーなカレーには、果実味の豊かなフルボディの赤ワインが完璧! このマリアージュ、ぜひ試してほしいですね」
左.看板メニューの特選黒毛和牛フィレ肉の岩塩包み焼 右.松のコースの季節の前菜盛り合わせ
カレーなら毎日食べても飽きないというオーナー・吉田宏さんは、無類のワイン好きでもある。オーナーが愛してやまないこのふたつを柱に、2012年9月に店をオープン。〆のカレーに行きつくまでの流れも大切だからと、ワインに合うビストロ料理も取りそろえ、ユニークな発想のカレービストロは誕生した。
ほぼ毎日カレーを食べているという吉田さんの、膨大に食べ込んできた総力を注ぎ込んだカレーは渾身の力作。ポルチーニ茸のカレーやカスリメティハーブのチキンカレーなど、個性的なカレーが6 ~ 7種類並ぶ。
「とくにカレーとのマリアージュを意識せず、自分が好きなものを中心に選んだ」というワインは、フランスのサヴォワやジュラのものからイタリアのマニアックな生産者のものまで、通好みのチョイスが光っている。
しかし、実際に自慢のカレーに合わせてみると、意外にもすんなり合って驚かされる。営業は深夜3時まで。夜中でも贅沢なカレーと個性的なワインを満喫できる貴重な一軒である。
左.独特の甘い香りが特徴のインドのスパイス、カスリメティのパスタ。エキゾチックな香りながらもイタリアンを感じさせる魅惑の一品右.本日の前菜盛り合わせ吉田さんセレクトのワインは、かなり通好み。新しい発見が待ってるかも。
オープンは2012年10月。昼はカレー、夜はワインスタンドというスタイルだ。店主・出倉吾朗さんは、飲食店のメニュー開発に携わっていたというフードコーディネイター。だからメニューの振り幅が広い。黒板メニューにはフレンチからエスニックまで、個性的な品々がフリースタイルで並んでいる。
たとえば、「ロゼワインとどうぞ」と書かれたクミン風味のラム串や、セロリアックのサラダ、スペイン風オムレツなどなど。ひとり用の前菜プレートもあるので、気軽に立ち寄れるのもうれしい限りだ。
店を始める前、キッチンカーで売り歩いていたというカレーは2種類。それだけに研究を重ねた自信作だ。夜も昼と同じカレーが食べられるが、カレーにバゲットを添えたメニューもあり、これがワインのつまみにもってこいのサイズ。
「呑んで素直に美味しいと思えるものを」というセレクトのワインは、飲み心地がいい自然派が中心。カレーはもちろん、スパイシーな料理とのハーモニーを楽しみたい。
左.ラム串。たっぷりのクミンを効かせたスパイシーなメニューでクセになる味わい。 右.スペインオムレツ。きっちりとジャガイモを重ねたオムレツはしっとりとした食感。オーブンで100分ほどかけて丁寧に焼き上げる
グラスワインもボトルもリーズナブルな値段で提供している
インド人御用達として知られる神谷町の人気インド料理店、ニルワナム。その本店と同じスタイル、同じメニューを楽しめるのが、2012年にできた虎ノ門店だ。この店のコックは、インド南部ケララ州出身。南インドで修業した腕利きとあって、本場そのものの味を提供している。
伝統的な料理はもちろん、現代風の料理まで幅広く手掛けているため、他のレストランでは見かけない珍しいメニューに出合えるのも魅力だ。揚げた鶏肉団子をレモン風味のソースで味付けしたレモン・チキンや、ココナッツベースのチキン・ハイドラバディもそんな料理のひとつ。
メニューは、日本人向けに辛さをアレンジしているものの、ワインと一緒に楽しむにはこれがほどよい加減。もちろんリクエストすれば本場の辛さにもしてくれる。
ワインはメイド・イン・インディアのみ。濃厚な赤ワインや果実味のある白ワイン、すっきり系のスパークリングなど、同じ土地でできたインドワインだけに、本格インド料理との相性は文句なし。
左.上のパニールチリはカッテージチーズを使った刺激的な前菜。下はレモン・チキン 右.ミックスベジタブルカレー。野菜の甘みが際立つ身体に優しい一皿
呑みやすいインド産スパークリングワインのほか、ワインはボトル、グラスを揃える
東京駅の地下街で南インドのミールスが食べられる。それだけでも驚かされるが、メニューに並ぶマニアックな料理もまた奥が深い。たとえば、インド版のスパイシーなから揚げ、チキン65もそのひとつ。インド人が「ここで食べられるなんて!」と驚く一品だ。エビのインディアンアヒージョなど、インド風にひとひねりした目新しい小皿つまみも充実している。
ワインは少ないが、持ち込み可能でチャージはひとり500円。インド料理とワインの相性を模索するにはうれしい限り。これぞというワインを携えて行きたい。
左.エビのインディアンアヒージョ。こんなものがあったらいいな、という発想から生まれた。スパイシーな辛さが魅力 右.グラスワイン
カウンターだけの小さなイタリアンバルは、料理、グラスワインともに基本500円程度。それもワインはグラスになみなみ、つまみもボリュームがあってワンコインとは侮れない。ワインリストはなく、気楽に食べて飲んで、〆にリゾットカレーを、というスタイルがうけて、いつ訪れても満席だ。
看板メニューのリゾットカレーはワインのお供にも絶妙な逸品。チキンのトマト煮込みをベースにしたカレーとチーズリゾットを、まずは別々に味わい、最後におもむろに混ぜればさらに二度美味しい。これがワインに合わないわけがない!
左.バーニャカウダ、たっぷりお肉のせオリジナルポテトサラダ 右.飲みやすく料理に合うワインをセレクト
キラー通りで長年店を構える同店は、カレー偏愛主義のワイン好きの間では知る人ぞ知る存在。インドカレーがベースというカレーは、複雑に組み合わせたスパイスが香る本格派。さらに和風なものからスパイスを効かせたオリジナル料理まで、ノンジャンルに登場するつまみも充実している。
「ワインに合わせるつまみは、スパイスを多く使わずシンプルに1、2種類がいい」と店主の若林タケシさん。このセオリーを踏まえて生まれたのが、マスタードシードをアクセントに使ったしめサバのカルパッチョであり、つまみにもなるカレーとして最近完成させたという豆とイカのカレーなどだ。
ワインは、飲み心地の良さとたっぷりの旨みが共存する自然派がメインだから、効果的なスパイス使いの料理をまるく包み込んでくれ、繊細なマリアージュも楽しめる。
開店は1994年、進化し続けるヘンドリクスのカレーと包容力のあるワインなら、「カレーとワイン」入門のスタートラインとしてもふさわしい。
左.マトンのメンチは肉汁がほとばしる 右.しめサバのカルパッチョ サラダ仕立て。軽く締めたサバとマスタードシードが好相性
左からシルーブル、リュノッテ、クロ・デュ・テュエ・ブッフなどが人気。ワインは常時15種類程度
インド料理店の中では数少ないタンドール料理の専門店。高温のタンドール釜でジューシーに焼き上げた肉や野菜は、お酒のつまみにも最適で、なかでもワインと相性がいい。
ワインリストはスパイシーな料理に合うインドワインが中心で、「辛い料理には白を、バターチキンなど、こってりした料理には濃厚な赤を試してほしい」とか。その言葉どおり、肉の旨みたっぷりのタンドリーチキンには赤を、鮮烈な辛さの香味チキンカレーに、辛みを中和させるスパークリングを合わせて、魅惑的なマリアージュをぜひ堪能してみてほしい。
左.伝統のタンドリーチキン。骨付きの鶏半羽を濃厚なソースに漬けて焼き上げる。コリアンダーチャッツネやレモンを搾って、味のバリエーションを楽しめる。 右.ワインはグラスもボトルも用意
疲労回復やアンチエイジングは、現代人にとって欠かせないテーマ。医師と薬剤師がメニューをプロデュースするこちらは、そんな風潮にぴったりの“食べて元気になる”ビストロだ。「野菜のデトックス薬膳カレー」は、塩分や油分を極力控え、生薬やスパイスで疲労回復など、健康に役立つ配合に調整された一品。
約20種類そろうワインのほか、リフレッシュ、胃腸を整えるなど、体調に合わせて選べるハーブと生薬を漬け込んだ8種類のハーブ・生薬ワインもある。薬膳カレーと合わせれば身体の内側からきれいになれるはず。左.生薬を寒天で固めた野菜寄せはミネラル、ビタミン、繊維質のバランスがいい 右.ワインはオーガニック中心
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そう、カレーだ!これまで、なぜかカレーとワインのペアリングは、徹底検証&議論がなされてこなかった。 ならば、ぜひともやってみよう!ということで、人気漫画「神の雫」(講談社刊)の登場人物・本間チョースケのモデルにもなった、ワインの専門家、本間敦さんに試していただいた。
本間さんテイスティングコメントに引き続き、都内でこだわりカレーとワインが楽しめる厳選9店をご紹介。
テイスティングの舞台は『たくあん牡丹亭』ワインの専門家も太鼓判の絶品マリアージュが次々と誕生!
本間敦:モトックスのスーパーバイザー。イタリアワイン担当。シニアワインアドバイザー。『神の雫』の本間チョースケのモデルとしても有名。著書に『独断と偏見で選ぶイタリア安旨ワイン203連発!』(講談社)などということで、本間さん行きつけのカレー屋、ではなくステーキ店『たくあん牡丹亭』に集合となった。 こちらは名物の肉料理のほか、本格カレーが6種類も味わえるという知る人ぞ知る和食店。(本間さん、さすがに引き出しが広い!)
女将の津野さんが興味津々と見守る中、王道の「黒毛和牛のカレー」からテイスティグを開始。
黒毛和牛の贅沢カレー×赤ワイン2種
黒毛和牛の贅沢カレー。とろける和牛の脂と旨みがリッチなコクを醸し出す。マルベックなど濃厚な赤ワインを合わせたい
本間:「タイプにもよりますが、カレーは基本的に個性が強い料理なので、ワインも個性のあるものが合いますね。
ビーフカレーのキーワードは、良質な脂と肉の甘み。凝縮した果実の甘みで肉の脂に負けない濃厚な赤ワインがいい。今日はカリフォルニアのジンファンデルとアルゼンチンのマルベックで試してみます。温かみを感じるジンファンデル種の果実の甘みは、黒毛和牛の脂とシンクロしますねぇ~。おお! 濃厚なマルベック種は、カレーと合わせると逆にワインの甘みやまろやかさが引き立って……ファンタスティコ♪」
茄子のキーマカレー×白ワイン&甘口ワイン
茄子のキーマカレー。たくあん・牡丹亭のカレーベースは、女将が母から受け継いだ秘伝の味。水も小麦粉も一切使わず、あめ色に炒めた玉ねぎと完熟トマト、独自にブレンドしたインド直輸入の数十種類の新鮮なスパイスで数日間煮込んでいるビーフカレーと対照的な「茄子のキーマカレー」なら、また違った選択に。
汁気のないカレーはご飯の甘みが引き立つので、これに合わせるのがポイントだと本間さん。干しブドウから作られるイタリアのパッシート、軽甘口のドイツのリースリングを合わせてみた。
本間:「いや~まいった! リースリングとキーマカレーの相性は素晴らしい! 甘すぎないからパッシートもいい。これ以上甘いアイスワインでは難しいでしょうね」
この後まだまだチョースケの華麗なる冒険は続いたが、すべてをご紹介できないのは残念。最後にまとめてもらうと… 本間:「個々のカレーによって変わるでしょうが、おおまかに言えば、キーマなど穏やかなスパイス使いのカレーと甘みを残した白や甘口ワインは絶妙で、目から鱗のマリアージュでした。ビーフカレーなど脂質が多くスパイシーなカレーには、果実味の豊かなフルボディの赤ワインが完璧! このマリアージュ、ぜひ試してほしいですね」
左.看板メニューの特選黒毛和牛フィレ肉の岩塩包み焼 右.松のコースの季節の前菜盛り合わせ
深夜でも贅沢なカレーと個性的なワインを愉しめる『白金カレービストロ Z』
ポルチーニ茸のカレー。シラーとは思えないエレガントなカミ・ド・ラ・ベルヌがぴったりカレーなら毎日食べても飽きないというオーナー・吉田宏さんは、無類のワイン好きでもある。オーナーが愛してやまないこのふたつを柱に、2012年9月に店をオープン。〆のカレーに行きつくまでの流れも大切だからと、ワインに合うビストロ料理も取りそろえ、ユニークな発想のカレービストロは誕生した。
ほぼ毎日カレーを食べているという吉田さんの、膨大に食べ込んできた総力を注ぎ込んだカレーは渾身の力作。ポルチーニ茸のカレーやカスリメティハーブのチキンカレーなど、個性的なカレーが6 ~ 7種類並ぶ。
「とくにカレーとのマリアージュを意識せず、自分が好きなものを中心に選んだ」というワインは、フランスのサヴォワやジュラのものからイタリアのマニアックな生産者のものまで、通好みのチョイスが光っている。
しかし、実際に自慢のカレーに合わせてみると、意外にもすんなり合って驚かされる。営業は深夜3時まで。夜中でも贅沢なカレーと個性的なワインを満喫できる貴重な一軒である。
左.独特の甘い香りが特徴のインドのスパイス、カスリメティのパスタ。エキゾチックな香りながらもイタリアンを感じさせる魅惑の一品右.本日の前菜盛り合わせ吉田さんセレクトのワインは、かなり通好み。新しい発見が待ってるかも。
昼はランチで夜はつまみに!?研究を重ねたカレー『カドノ』
ひき肉カレーとバゲット。豆と挽き肉たっぷりでスパイシーオープンは2012年10月。昼はカレー、夜はワインスタンドというスタイルだ。店主・出倉吾朗さんは、飲食店のメニュー開発に携わっていたというフードコーディネイター。だからメニューの振り幅が広い。黒板メニューにはフレンチからエスニックまで、個性的な品々がフリースタイルで並んでいる。
たとえば、「ロゼワインとどうぞ」と書かれたクミン風味のラム串や、セロリアックのサラダ、スペイン風オムレツなどなど。ひとり用の前菜プレートもあるので、気軽に立ち寄れるのもうれしい限りだ。
店を始める前、キッチンカーで売り歩いていたというカレーは2種類。それだけに研究を重ねた自信作だ。夜も昼と同じカレーが食べられるが、カレーにバゲットを添えたメニューもあり、これがワインのつまみにもってこいのサイズ。
「呑んで素直に美味しいと思えるものを」というセレクトのワインは、飲み心地がいい自然派が中心。カレーはもちろん、スパイシーな料理とのハーモニーを楽しみたい。
左.ラム串。たっぷりのクミンを効かせたスパイシーなメニューでクセになる味わい。 右.スペインオムレツ。きっちりとジャガイモを重ねたオムレツはしっとりとした食感。オーブンで100分ほどかけて丁寧に焼き上げる
グラスワインもボトルもリーズナブルな値段で提供している
メイド・イン・インディアなワインとカレー『ニルワナム 虎ノ門店』
チキン・ハイドラバディはココナッツベース。渦巻き状のパン、ケララ・ポロッタと共にインド人御用達として知られる神谷町の人気インド料理店、ニルワナム。その本店と同じスタイル、同じメニューを楽しめるのが、2012年にできた虎ノ門店だ。この店のコックは、インド南部ケララ州出身。南インドで修業した腕利きとあって、本場そのものの味を提供している。
伝統的な料理はもちろん、現代風の料理まで幅広く手掛けているため、他のレストランでは見かけない珍しいメニューに出合えるのも魅力だ。揚げた鶏肉団子をレモン風味のソースで味付けしたレモン・チキンや、ココナッツベースのチキン・ハイドラバディもそんな料理のひとつ。
メニューは、日本人向けに辛さをアレンジしているものの、ワインと一緒に楽しむにはこれがほどよい加減。もちろんリクエストすれば本場の辛さにもしてくれる。
ワインはメイド・イン・インディアのみ。濃厚な赤ワインや果実味のある白ワイン、すっきり系のスパークリングなど、同じ土地でできたインドワインだけに、本格インド料理との相性は文句なし。
左.上のパニールチリはカッテージチーズを使った刺激的な前菜。下はレモン・チキン 右.ミックスベジタブルカレー。野菜の甘みが際立つ身体に優しい一皿
呑みやすいインド産スパークリングワインのほか、ワインはボトル、グラスを揃える
東京駅で気軽に本格ミールスを『南インドカレー&バル エリックサウス』
彩り野菜のドライカレー。数種類の旬の野菜を刻んでスパイスで味付けした日替わりメニュー。このままつまみにもなりそうだ東京駅の地下街で南インドのミールスが食べられる。それだけでも驚かされるが、メニューに並ぶマニアックな料理もまた奥が深い。たとえば、インド版のスパイシーなから揚げ、チキン65もそのひとつ。インド人が「ここで食べられるなんて!」と驚く一品だ。エビのインディアンアヒージョなど、インド風にひとひねりした目新しい小皿つまみも充実している。
ワインは少ないが、持ち込み可能でチャージはひとり500円。インド料理とワインの相性を模索するにはうれしい限り。これぞというワインを携えて行きたい。
左.エビのインディアンアヒージョ。こんなものがあったらいいな、という発想から生まれた。スパイシーな辛さが魅力 右.グラスワイン
イタリアンなカレーにはスパークリングを合わせて!『リゾットカレー スタンダード』
リゾットカレー。パルメザンチーズのリゾットに、チキンのトマト煮をベースにしたカレーをかけたイタリアンな一品。スパークリングワインを合わせたいカウンターだけの小さなイタリアンバルは、料理、グラスワインともに基本500円程度。それもワインはグラスになみなみ、つまみもボリュームがあってワンコインとは侮れない。ワインリストはなく、気楽に食べて飲んで、〆にリゾットカレーを、というスタイルがうけて、いつ訪れても満席だ。
看板メニューのリゾットカレーはワインのお供にも絶妙な逸品。チキンのトマト煮込みをベースにしたカレーとチーズリゾットを、まずは別々に味わい、最後におもむろに混ぜればさらに二度美味しい。これがワインに合わないわけがない!
左.バーニャカウダ、たっぷりお肉のせオリジナルポテトサラダ 右.飲みやすく料理に合うワインをセレクト
つまみとしての乙なカレーの名店『ヘンドリクス』
豆とイカのカレーはさっぱりとした美味しさ。ぷりぷりとしたイカの食感もいい。タンドール釜で焼くナンキラー通りで長年店を構える同店は、カレー偏愛主義のワイン好きの間では知る人ぞ知る存在。インドカレーがベースというカレーは、複雑に組み合わせたスパイスが香る本格派。さらに和風なものからスパイスを効かせたオリジナル料理まで、ノンジャンルに登場するつまみも充実している。
「ワインに合わせるつまみは、スパイスを多く使わずシンプルに1、2種類がいい」と店主の若林タケシさん。このセオリーを踏まえて生まれたのが、マスタードシードをアクセントに使ったしめサバのカルパッチョであり、つまみにもなるカレーとして最近完成させたという豆とイカのカレーなどだ。
ワインは、飲み心地の良さとたっぷりの旨みが共存する自然派がメインだから、効果的なスパイス使いの料理をまるく包み込んでくれ、繊細なマリアージュも楽しめる。
開店は1994年、進化し続けるヘンドリクスのカレーと包容力のあるワインなら、「カレーとワイン」入門のスタートラインとしてもふさわしい。
左.マトンのメンチは肉汁がほとばしる 右.しめサバのカルパッチョ サラダ仕立て。軽く締めたサバとマスタードシードが好相性
左からシルーブル、リュノッテ、クロ・デュ・テュエ・ブッフなどが人気。ワインは常時15種類程度
多彩なワインとタンドール料理のマリア―ジュ『タンドール料理専門店 カイバル』
カイバル特製! 香味チキンカレーとナンインド料理店の中では数少ないタンドール料理の専門店。高温のタンドール釜でジューシーに焼き上げた肉や野菜は、お酒のつまみにも最適で、なかでもワインと相性がいい。
ワインリストはスパイシーな料理に合うインドワインが中心で、「辛い料理には白を、バターチキンなど、こってりした料理には濃厚な赤を試してほしい」とか。その言葉どおり、肉の旨みたっぷりのタンドリーチキンには赤を、鮮烈な辛さの香味チキンカレーに、辛みを中和させるスパークリングを合わせて、魅惑的なマリアージュをぜひ堪能してみてほしい。
左.伝統のタンドリーチキン。骨付きの鶏半羽を濃厚なソースに漬けて焼き上げる。コリアンダーチャッツネやレモンを搾って、味のバリエーションを楽しめる。 右.ワインはグラスもボトルも用意
生薬ワインと薬膳カレーで体も悦ぶ『銀座カフェ-Bistro-』
ぱっと見、カレーであることが判別つかないが、正真正銘のカレー。野菜のデトックス薬膳カレー。ルウはワイン、生薬、ハーブ・酵素を使って3日間煮込む。野菜たっぷりでカロリー控えめ疲労回復やアンチエイジングは、現代人にとって欠かせないテーマ。医師と薬剤師がメニューをプロデュースするこちらは、そんな風潮にぴったりの“食べて元気になる”ビストロだ。「野菜のデトックス薬膳カレー」は、塩分や油分を極力控え、生薬やスパイスで疲労回復など、健康に役立つ配合に調整された一品。
約20種類そろうワインのほか、リフレッシュ、胃腸を整えるなど、体調に合わせて選べるハーブと生薬を漬け込んだ8種類のハーブ・生薬ワインもある。薬膳カレーと合わせれば身体の内側からきれいになれるはず。左.生薬を寒天で固めた野菜寄せはミネラル、ビタミン、繊維質のバランスがいい 右.ワインはオーガニック中心
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