Norio NAKAYAMA
南禅寺は鎌倉時代に創建された臨済宗のお寺で、同名の宗派の総本山。桜や紅葉の季節になるとその美しさは特に有名で、四季の移り変わりとその美しさを堪能できるお寺として有名です。あの有名な石川五右衛門の名台詞「絶景かな、絶景かな」はここの三門からの眺めの良さを語ったものです。この記事では、南禅寺と周辺の見どころポイントや歴史と、この場所の名物料理として親しまれる湯豆腐を食べるときにおすすめのお店をご紹介しましょう。南禅寺に参拝した後頂くお豆腐は、きっと旅の思い出として残るはずです。
1.南禅寺の5つの見どころ
1.三門
http://blog.goo.ne.jp/tesukun7110/e/c0bf51a02250af741a8f6853eb1f55c4
大坂夏の陣で戦った武将藤堂高虎が家来を弔う目的で建てられたもの。門の上からの眺めは、石川五右衛門の「絶景かな、絶景かな」のセリフで知られるように、美しい景色が広がります。藤堂高虎が建てたという現在の三門は2代目になるそうです。室町時代に大火により焼失してしまいましたが、もともとは鎌倉時代公卿・西園寺実兼(さいおんじ さねかね)によって寄進されたと言われています。明治時代に国の重要文化財に指定されました。
2.水路閣
http://www5d.biglobe.ne.jp/~san1014/nanzenjisuirokaku.htm
ドラマのロケ地としてもおなじみのスポット。南禅寺の境内を通る水路橋として、景観に配慮したデザインが景色に溶け込んでいます。南禅寺といえばやはりこの水路閣が有名ですよね。琵琶湖から市内へ向けた水路として明治時代に建てられました。現在では風情が感じられると人気のスポットですが、建設当時は古都の景観を損なうと反対の意見も多かったようです。
3.南禅院
http://www.kyoto-okazaki.jp/spot/spnznzi
南禅寺発祥の地と呼ばれるこの建物。現在のものは江戸時代に建てられたものです。周囲の自然風景にとけこむ様子が美しい。もともと、この地には鎌倉時代の第90代亀山天皇の離宮・禅林寺殿が建っていたそうです。亀山天皇は出家して法皇となった際、この禅林寺殿を寄進して南禅院と号したのが始まりと言い伝えられています。戦による火災などで室町時代には荒廃していましたが、徳川綱吉の母・桂昌院によって再建されました。
4.虎の子渡しの庭
http://www.kyoto-okazaki.jp/spot/nanzenji
方丈前の庭。白砂に数個の石やこけ、気が配された枯山水の庭園。 見るものによって捉え方が違い、想像が膨らみます。昭和26年に国の名勝に指定された庭園です。江戸時代初期に近江小室藩の初代藩主・小堀 政一によって作庭されました。大きな石を横に寝かして設置するなど、仏教的な表現に囚われない構成になっている名庭です。
5.天授庵
http://blogs.yahoo.co.jp/kubogaku/37267861.html
南禅寺の塔頭である天授庵。 紅葉の季節には特に庭の眺めがとても美しいことで有名です。南禅寺を開山した高僧・無関普門が鎌倉時代中期に亡くなり、長きにわたりその塔頭がないことに遺憾を覚えた虎関師錬(こかんしれん)によって室町時代に建立されたと伝えられています。一時は荒廃しましたが、戦国時代末期に細川幽斎によって再建されました。
■ 基本情報
- ・名称: 南禅寺
- ・住所: 京都府京都市左京区南禅寺福地町
- ・拝観時間: 【12月1日~2月28日】08:40~16:30
- 【3月1日~11月30日】08:40~17:00
- ・拝観料: 拝観志納金を確認してください
- ・電話番号:075-771-0365
- ・公式サイトURL: http://www.nanzen.net/
2.南禅寺名物の湯豆腐を味わう
南禅寺といえば湯豆腐。周辺には様々な湯豆腐のお店が軒を連ねています。実は湯豆腐は精進料理として南禅寺周辺で誕生したと言い伝えられています。当時は現在のようなものではなく、おでんに似たような料理だったそうです。肉類や魚介類を食べることが出来ない僧侶たちにとって、豆腐は貴重なタンパク源だったんです。
1.奥丹
http://blogs.yahoo.co.jp/tanpopo01872/12331819.html
超有名店。とろけるような味わいの湯豆腐にはファンが多く、昼時には長蛇の列ができます。こちらのお店は江戸時代初期に創業され、370年以上もの古い歴史をもつ老舗の精進料理店です。代々受け継がれてきた味や店の雰囲気は創業以来変えられていません。
お豆腐に使用される水と大豆は滋賀県北比良地方のものを使用されており、お店の庭園の地下にあるという工房で毎日手作りされています。
■ 基本情報
- ・名称:奥丹 南禅寺店
- ・住所:京都府京都市左京区南禅寺福地町86-30
- ・アクセス:蹴上駅から徒歩10分
- ・営業時間:11:00~16:00
- ・定休日:木曜
- ・電話番号: 075-771-8709
- ・参考サイト:http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260301/26001834/
2.順正
http://d.hatena.ne.jp/iamxmen/20110618/1308417350
しっかりとした食感で食べ応えのある湯豆腐が評判。 座敷から眺める庭園の美しさも人気です。昭和37年創業と、江戸時代創業の老舗が多い古都京都では比較的歴史が浅いお店ですが、お店の建物は江戸時代に蘭学医・新宮凉庭医学学問所として建てられたそうです。国の有形文化財として登録されています。
■ 基本情報
- ・名称:順正
- ・住所:京都府京都市左京区南禅寺草川町60
- ・アクセス:蹴上駅から徒歩5分
- ・営業時間:11:00~21:30
- ・定休日:不定休
- ・電話番号: 075-761-2311
- ・公式サイトURL: http://www.to-fu.co.jp/
3.八千代
http://kuchibashi.blog.so-net.ne.jp/2010-09-24-1
昔ながらの手作り豆腐を味わうことのできるお店。湯豆腐の他、京懐石やすっぽん鍋などをいただくこともできます。世界最大の口コミ旅行サイト・トリップアドバイザーによる「エクセレンス認証」を2014年に受賞され、京料理がたいへん美味しいと話題の旅館です。朝食に湯豆腐が頂けるそうで、素材にこだわったつくりたて豆腐は最高です。
■ 基本情報
- ・名称:八千代
- ・住所: 京都府京都市左京区南禅寺福地町35
- ・アクセス:蹴上駅から徒歩5分
- ・営業時間:11:00~16:00、17:00~21:00
- ・電話番号:075-771-4148
- ・公式サイト:http://www.kyoto-nanzenji-yachiyo.jp/
4.桜鶴苑
大正時代に建てられた、趣のある建物の中でいただく湯豆腐は、味はもちろん雰囲気も◎。湯豆腐料理をはじめとした京都らしいお料理を味わうことができます。お店に入ってまず目を奪われる山水式庭園は、近代日本庭園の先駆者と謳われる七代目 小川治兵衛(おがわじへえ)により作庭されました。和の風情が溢れる店内と美しい日本庭園を眺めながら頂く湯豆腐はより一層おいしさが増します。
■ 基本情報
- ・名称:桜鶴苑
- ・住所:京都市左京区南禅寺草川町55番地
- ・アクセス:蹴上駅から徒歩5分
- ・営業時間:【レストラン】11:00~14:00、17:00~21:00
- ・定休日:水曜
- ・電話番号: 075-771-4112
- ・公式サイト:http://www.kyoto-okakuen.com/
5.大安苑
http://www.ushio-home.co.jp/cgi-bin/diary/topics.cgi?page=70
ふっくらとした湯豆腐を、美しい双竜庭園を眺めながら食べられるスポット。味と雰囲気共に、京都の良さを堪能できます。■ 基本情報
- ・名称:大安苑
- ・住所: 京都府京都市左京区南禅寺草川町81
- ・アクセス:蹴上駅から徒歩7分
- ・電話番号: 075-752-4333
- ・公式サイト:http://www.taianen.com/
3. 南禅寺のみどころ ②
南禅寺には重要文化財や国宝など歴史的文化的に価値のある建物がまだまだあります。それらをご紹介しましょう。1. 勅使門(重要文化財)
寛永18年(1641)に明正天皇から下賜されたもので、御所の「日の御門」だったものです。かつては「勅使門」の名前の通り、天皇の行幸や勅使が来山した際にのみ開けられる門でした。現在では住持の晋山(簡単に言えば新管長の就任)の時のみ開けられています。勅使門の正面右手にある中門は、慶長6年(1601)松井氏より伏見城松井邸の門を勅使門として寄進を受けたものです。現在の門が拝領された際今の位置に移築され、江戸末期まで脇門と呼ばれていました。
■ 基本情報
- ・名称: 勅使門(重要文化財)
- ・場所: 南禅寺駐車場前
- ・公式サイトURL: http://www.nanzen.net/keidai_chyokushimon.html
2. 法堂(はっとう)
法堂は南禅寺の要ともいえる建物で、法式行事や公式の法要が営まれる建物です。創設当時の建物は応仁・文明の乱で焼失。その後文明11年(1479)に復興され豊臣秀頼の寄進で大改装されましたが、この建物も明治26年(1893)の火災で焼失してしまいました。現在の建物は明治42年(1909)に再建されたものです。法堂の中の「須弥壇」の中央には本尊の「釈迦如来」。その右側には獅子に騎る「文殊菩薩」左側には象に騎る「普賢菩薩」の3体が安置されています。天井には今尾影年画伯筆の雲龍図が描かれています。
■ 基本情報
- ・名称: 南禅寺法堂
- ・公式サイトURL: http://www.nanzen.net/keidai_hatto.html
3. 大方丈 (方丈 国宝)
方丈は、大方丈とその後ろにある小方丈から形成されています。大方丈は慶長16年(1611)に御所の建物の下賜を受けこの地に移築再建されたもので、内陣・御昼の間・鳴滝の間・麝香の間・鶴の間・西の間・柳の間・六畳・狭屋の間・広縁で構成された入母屋造で杮(こけら)葺の建物です。寺に伝わる話では、この大方丈は天正年間(1573-1592年)の内裏清涼殿を移築したものだとされていますが、女院御所の対面御殿を移築したという説もあります。いずれにしても近世宮室建築を今に伝える貴重な建物です。昭和28年に国宝に指定されました。
内部には重要文化財に指定された桃山前期の狩野派絵師達による124面に及ぶ障壁画で彩られていましたが、痛みが激しかった84面が収納庫に保管され、江戸初期から中期の色合いで復元された障壁画に補完して公開されています。
■ 基本情報
- ・名称: 南禅寺大方丈(国宝)
- ・場所:南禅寺奥 方丈エリア
- ・公式サイトURL: http://www.nanzen.net/keidai_hojyo.html
4. 小方丈 (方丈 国宝)
小方丈は大方丈の後ろに接続した寛永年間(1624~1644年)の建物で、伏見城に遺構であるとされています。内部には重要文化財に指定された狩野探幽筆と伝えられる40面の「群虎図」がある「虎の間」と呼ばれる部屋があります。小方丈は前出の「虎の間」の他、三室(九畳、六畳、二十畳)広縁から構成され、背面は切妻造、前面は大方丈に接続している杮葺の建物です。
■ 基本情報
- ・名称: 南禅寺小方丈(国宝)
- ・場所: 方丈エリア
- ・公式サイトURL: http://www.nanzen.net/keidai_hojyo.html
5. 小方丈庭園
南禅寺の庭園と言えば、小堀遠州作と伝えられる方丈庭園、別名「虎の子渡し」の庭が有名ですが、その他にも庭園があるのをご存知ですか。ここで紹介する「小方丈庭園」は別名「如心庭」と呼ばれ、昭和41年に当時の管長柴山全慶老師によって作られた庭です。「心を表現せよ」との教示指導で作庭されたこの庭は、名前の通り「心」の字形に庭石を配した枯山水式の石庭です。とても落ち着いた雰囲気の庭になっています。
■ 基本情報
- ・名称: 小方丈庭園
- ・場所:南禅寺 方丈エリア
- ・公式サイトURL: http://www.nanzen.net/keidai_teien.html
6. 六道庭
小方丈庭園が解脱した心の庭であるのに対して、こちらの「六道庭」は、天上・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄の六つの世界を生まれ変わり続けるという、仏教の世界観である「六道輪廻」の戒めの庭です。方丈庭園・小方丈庭園が枯山水式であるのに対し違った姿を見せています。この六道庭の一面を杉苔でおおわれた中に影石が配石されている様子は、煩悩に迷ったり涅槃の境地にたどり着くことなく六道を輪廻し続ける凡人のはかなさを思い起こさせます。
■ 基本情報
- ・名称: 六道庭
- ・公式サイトURL: http://www.nanzen.net/keidai_teien.html
4. 南禅寺名物の湯豆腐を味わう ②
南禅寺周辺は、京都の観光スポットの一つであり、南禅寺の他にも平安神宮・哲学の道など名所旧跡があつまる場所です。その地にある湯豆腐を味わえるお店を集めてみました。1.豆狸
南禅寺から歩いて5分位、京都市動物園から歩いて3分くらいの所にあるお店です。お店の前には有名な疎水が流れています。大きな生簀があり海の幸と山の幸それぞれを、洗練された京都の味として味わえるお店です。大型バスの他普通自動車なら20台駐車できる駐車場もあるので、車で行っても安心ですね。「南禅寺彩り御膳(湯豆腐会席)」は南禅寺御用達豆腐を使用した湯豆腐の他、てんぷらや炊きあわせがセットになった会席料理ですおススメですよ。
■ 基本情報
- ・名称: 岡崎茶寮 豆狸(まめだ)
- ・住所: 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町149-3
- ・アクセス: 平安神宮より徒歩3分/南禅寺より徒歩5分
- ・営業時間: 11:00~22:00
- ・定休日: 月曜日
- ・電話番号: 075-771-0234
- ・料金: 南禅地彩り会席(湯豆腐会席)2,760円(税抜き)
- ・公式サイトURL: http://mameda.jp
2. お食事処 明日香
南禅寺から少し西に行った、東山区西町にある湯豆腐が美味しいと評判のお店で、外国人の観光客も良く訪れるお店です。お店の入り口の店内も京都らしい落ち着いたつくりです。営業時間も11時から22時までと長いのも見逃せません。地下鉄東山駅から歩いて約4分の場所にあります。湯豆腐単品もありますが、おススメは「京風湯豆腐定食」ですね。湯豆腐の他にてんぷらやご飯が付いています。1階席の他2階にも席があるのでゆったり落ち着いて食事を取ることができます。
■ 基本情報
- ・名称: お食事処 明日香
- ・住所: 京都府京都市東山区西町144
- ・アクセス: 地下鉄東山駅 徒歩約4分
- ・営業時間: 11:00~22:00
- ・定休日: 月曜日(祝日の場合は同週の木曜日)
- ・電話番号: 075-751-1941
- ・料金: 京風湯豆腐定食 1600円
- ・公式サイトURL: http://www.asuka-kyoto.net/
3. 五右衛門茶屋
南禅寺周辺で湯豆腐を味わいたい方の穴場的なお店がこちらです。民家風の建物でテーブル席と座敷席があります。南禅寺のすぐ近くにあります。湯豆腐は食べたいけれど行列はちょっとと言う方は、ぜひこちらのお店を訪ねて下さい。薬味は、ねぎ・しょうが・のり・鰹節まで揃っています。旬の美味しい野菜を使ったてんぷらもあつあつでおいしいですよ。そして美味しく食べる為に、くれぐれもお豆腐のゆで過ぎには注意してくださいね。
■ 基本情報
- ・名称: 五右衛門茶屋
- ・住所: 京都府京都市左京区南禅寺草川町67
- ・アクセス: 京都市営地下鉄「蹴上」駅より徒歩約5分
- ・営業時間: 11:00~18:00
- ・定休日: 隔週火曜日
- ・電話番号: 075-771-7778
- ・関連サイトURL: http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260301/26002675/
4. 通りゃんせ
哲学の道の入り口 熊野若王子神社の近くにあるお店です。いかにも京都ですという感じの建物で思わず入りたくなってしまいます。スイーツやかき氷のお店かと思われるかもしれませんが、湯豆腐を初めとした豆腐のお料理も取り扱っているのは流石ですね。店内もとても落ち着いた感じで、奥の席に行けば坪庭を見ることもできます。車椅子の入店もできるバリアフリーなお店です。
■ 基本情報
- ・名称: 通りゃんせ
- ・住所: 京都府京都市左京区若王子町12-4
- ・アクセス:蹴上駅から923m
- ・営業時間: 10:00~18:00
- ・定休日: 無休
- ・電話番号: 075-761-3966
- ・関連サイトURL: http://tabelog.com/kyoto/A2601/A260301/26018658/
南禅寺の静かな美しさと歴史をご紹介してみました。京都の町を代表する観光スポットのひとつであるこの場所の魅力をお伝えすることができたでしょうか。そして、ここへ来たら是非召し上がっていただきたいのが湯豆腐です。昔から僧侶たちの貴重なタンパク源として食べられてきた湯豆腐。だから南禅寺の周りは有名な美味しい湯豆腐やさんが一杯。でも行列や待ち時間が心配という方のために、周辺の美味しい湯豆腐を味わえるお店を集めてみました。有名なお店で頂く湯豆腐もいいですが、穴場的な美味しい湯豆腐やさんも沢山あります。ぜひ湯豆腐を堪能してくださいね。