沖縄で暮らしはじめてまもなく5年。いまだこの土地ならではの風習に驚くことがあって、特に移住したての頃は、いろんなことに衝撃を受けたものでした。
例えば、浴室に浴槽がなかったり(入浴の基本はシャワー)、ドル紙幣を使える店があったり(今日のレートが張ってある)、スーパーでキャッシャーのお姉さんがレジ打ちしながら商品をレジ袋に入れてくれる(優しすぎるサービス!)などなど。
そんななかで、おもしろいなぁと思ったのがオードブル文化。私のなかでのオードブルといえば、レストランでいただくコース料理の前菜であり、立食パーティーに並ぶ料理のひとつ。
けれど沖縄では、プラスチック製の大皿に、いくつものお惣菜を盛り合わせたもの(スーパーでも売ってる!)。テイクアウトが基本の豪華なパーティー料理のようなのです。
正月やお盆、お墓に集まるシーミー(清明祭)の際によく見かけたので、親戚が大勢集う先祖供養のときに食べるごちそうなのかなと思い込んでいたら、いやいや。
入学祝いに卒業祝い、こどもの日、七五三、父の日、母の日etc.「家族の祝いごとにはオードブル」というほど、沖縄の暮らしに根づいていると聞いて驚きました。職場だったら出産祝い、退職祝い、人が集うときにはやっぱりオードブル。
どうりで、スーパーにもお弁当屋にもオードブルのちらしがあり、居酒屋、割烹、カフェにまでオードブルメニューがあるわけです。
皆それぞれ、お気に入りの店があり、「あそこのオードブルがおいしかったよ」なんて情報交換も当たり前♪ と、うちなーんちゅの友人に教えてもらい、オードブルは沖縄の暮らしに欠かせないものだと知りました。
そんな話を聞いていたら、急にうらやましさがこみ上げて。この地に親せきがいないわが家にとっては、先祖供養や家族の祝い事で集まることはないから、大切そうにオードブルを抱えて家路につく人たちを見ると、これからにぎやかな宴なんだろうなと羨望のまなざし。
オードブルが並ぶ席には、大勢が食卓を囲み、つながり合う時間が見えるから。時に近所の人たちもまじえてのにぎやかな光景が目に浮かび、オードブルが幸せの象徴のように思えたから。そこには沖縄の人の大らかさや、人とのつながりを大切にする温かさを感じられたのです。
だから最近はわが家でも友人を招いたときなどに利用して、沖縄のオードブル文化をおおいに楽しませてもらっています。沖縄に住んで、周りとのつながりを、より大切にするようになりました。
というわけで、よりどりみどりのオードブルのなかで、今回は個性的なオードブルをピックアップしてみました♪
まずこちらは、名護市にある「YANBARU HARUSAA’S TABLE Cookhal 」のオードブル(写真は5人前3,000円)。
やんばるの旬の野菜を中心に、自家製で無添加のシャルキュトリー(ウインナーやハム)をプラスした、ボリュームたっぷりでヘルシーなオードブル。
ゴーヤーとやんばる若鶏のベトナム風サラダや、自家製・燻製島豆腐のカプレーゼ風など、なんと今回は14品もの料理がぎゅぎゅっと詰め込まれていました(メニューは変動あり)。
自社農園や数多くの提携農家をもつこちらのオードブルは、野菜はもちろん、豚肉や鶏肉、ハーブやスパイスなどもやんばる産。特に冬の沖縄は、野菜が豊富なので彩りも豊か。運ばれてきた瞬間に、わぁっと心が躍る華やかさがあり、毎朝、収穫したばかりのフレッシュな野菜を使って調理されています。
お次は読谷村にある「デチビカ」のオードブル(4~5人前2,700円)。カレー屋だけあって、エスニック味のオードブルを提供。
メインは2日前から豆乳ヨーグルトに漬け込むというスパイシーなタンドリーチキンと、インドの天ぷら、パコラ。そのほか、春雨サラダや紅いものスイートポテト風、なすとごぼうのエスニック風など、旬の野菜料理が並びます(メニューは変動あり)。
辛さの調節もお願いでき、全く辛いメニューを入れない子ども用オードブルもあるそう。タンドリーチキンがから揚げになり、ピリリと辛い惣菜はパスタサラダなどに変わります。
さらに県外からのお客様には、希望があればゴーヤチャンプルーや田芋のフライなど、季節の島野菜をふんだんに使った沖縄料理にも変えてくれるそう。ふだんからビーガンのお客様が多いこともあり、動物性食品を使わないビーガン・オードブルも可能。食材や調味料にもこだわりつつ、さまざまなリクエストにこたえてくれます。
那覇市の「楽ロビkitchen」のオードブルは、動物性食品を使わないマクロビオティック料理がずらり。料理6品に、もちもちの玄米おむすびつきです(写真は4人前6,000円)。
野菜の美しい色をいかした華やかな彩りで、目でも味わってもらいたいと見た目にもこだわったもの。調味料をシンプルにして食材の味や食感を大切にしつつ、子どもや男性がパクパク喜んで食べる味つけです。
メインは玄米入りカレー風味のライスコロッケと大豆ミートの中華炒め(メニューは変動あり)。そのほか大根のすりごまあえや、にんじんと玄米ビーフンのマリネなど、和洋中の味わいが並び、さっぱり味、こっくり味とさまざま楽しめます。
なによりこちらの料理は、オーナーが「おいしくなぁれ」「ありがとう」といった想いを込めて作っているそう。食材へのこだわりはもちろん、料理をするときの気持ちも大切にしていると聞いて、ますますこの店のファンになりました(食べたらエネルギーがわきそう!)
グルテンフリー、大豆フリー、野菜だけのオードブルも可能。ごはんは要望があれば、麺やパンにも変えられます。
テーブルにのせると、ぱっと華やぐオードブル。家族旅行やグループ旅行で、ペンションに泊まったときにも重宝しそう……そう思って先日、3家族で一軒貸しの宿に泊まった際にオードブルを利用したところ、子どもたちはいつもと違うごちそうにテンションアップ!
外食せずとも大人はラクができて(これだけの子どもたちを外食に連れていったら大変!笑)、テーブルはにぎやかになるオードブル。大勢で集うときにはとても便利なので、沖縄旅行の際に楽しんでみてはいかがでしょう。
おまけの話*
今回宿泊したのは外人住宅宿、かふーわ宜野湾の姉妹店、かふーわ浦添。小さな庭つきで広々リビングにベッドルームは3部屋も。大人数での旅行におすすめです*
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例えば、浴室に浴槽がなかったり(入浴の基本はシャワー)、ドル紙幣を使える店があったり(今日のレートが張ってある)、スーパーでキャッシャーのお姉さんがレジ打ちしながら商品をレジ袋に入れてくれる(優しすぎるサービス!)などなど。
そんななかで、おもしろいなぁと思ったのがオードブル文化。私のなかでのオードブルといえば、レストランでいただくコース料理の前菜であり、立食パーティーに並ぶ料理のひとつ。
けれど沖縄では、プラスチック製の大皿に、いくつものお惣菜を盛り合わせたもの(スーパーでも売ってる!)。テイクアウトが基本の豪華なパーティー料理のようなのです。
正月やお盆、お墓に集まるシーミー(清明祭)の際によく見かけたので、親戚が大勢集う先祖供養のときに食べるごちそうなのかなと思い込んでいたら、いやいや。
入学祝いに卒業祝い、こどもの日、七五三、父の日、母の日etc.「家族の祝いごとにはオードブル」というほど、沖縄の暮らしに根づいていると聞いて驚きました。職場だったら出産祝い、退職祝い、人が集うときにはやっぱりオードブル。
どうりで、スーパーにもお弁当屋にもオードブルのちらしがあり、居酒屋、割烹、カフェにまでオードブルメニューがあるわけです。
皆それぞれ、お気に入りの店があり、「あそこのオードブルがおいしかったよ」なんて情報交換も当たり前♪ と、うちなーんちゅの友人に教えてもらい、オードブルは沖縄の暮らしに欠かせないものだと知りました。
そんな話を聞いていたら、急にうらやましさがこみ上げて。この地に親せきがいないわが家にとっては、先祖供養や家族の祝い事で集まることはないから、大切そうにオードブルを抱えて家路につく人たちを見ると、これからにぎやかな宴なんだろうなと羨望のまなざし。
オードブルが並ぶ席には、大勢が食卓を囲み、つながり合う時間が見えるから。時に近所の人たちもまじえてのにぎやかな光景が目に浮かび、オードブルが幸せの象徴のように思えたから。そこには沖縄の人の大らかさや、人とのつながりを大切にする温かさを感じられたのです。
だから最近はわが家でも友人を招いたときなどに利用して、沖縄のオードブル文化をおおいに楽しませてもらっています。沖縄に住んで、周りとのつながりを、より大切にするようになりました。
というわけで、よりどりみどりのオードブルのなかで、今回は個性的なオードブルをピックアップしてみました♪
まずこちらは、名護市にある「YANBARU HARUSAA’S TABLE Cookhal 」のオードブル(写真は5人前3,000円)。
やんばるの旬の野菜を中心に、自家製で無添加のシャルキュトリー(ウインナーやハム)をプラスした、ボリュームたっぷりでヘルシーなオードブル。
ゴーヤーとやんばる若鶏のベトナム風サラダや、自家製・燻製島豆腐のカプレーゼ風など、なんと今回は14品もの料理がぎゅぎゅっと詰め込まれていました(メニューは変動あり)。
自社農園や数多くの提携農家をもつこちらのオードブルは、野菜はもちろん、豚肉や鶏肉、ハーブやスパイスなどもやんばる産。特に冬の沖縄は、野菜が豊富なので彩りも豊か。運ばれてきた瞬間に、わぁっと心が躍る華やかさがあり、毎朝、収穫したばかりのフレッシュな野菜を使って調理されています。
お次は読谷村にある「デチビカ」のオードブル(4~5人前2,700円)。カレー屋だけあって、エスニック味のオードブルを提供。
メインは2日前から豆乳ヨーグルトに漬け込むというスパイシーなタンドリーチキンと、インドの天ぷら、パコラ。そのほか、春雨サラダや紅いものスイートポテト風、なすとごぼうのエスニック風など、旬の野菜料理が並びます(メニューは変動あり)。
辛さの調節もお願いでき、全く辛いメニューを入れない子ども用オードブルもあるそう。タンドリーチキンがから揚げになり、ピリリと辛い惣菜はパスタサラダなどに変わります。
さらに県外からのお客様には、希望があればゴーヤチャンプルーや田芋のフライなど、季節の島野菜をふんだんに使った沖縄料理にも変えてくれるそう。ふだんからビーガンのお客様が多いこともあり、動物性食品を使わないビーガン・オードブルも可能。食材や調味料にもこだわりつつ、さまざまなリクエストにこたえてくれます。
那覇市の「楽ロビkitchen」のオードブルは、動物性食品を使わないマクロビオティック料理がずらり。料理6品に、もちもちの玄米おむすびつきです(写真は4人前6,000円)。
野菜の美しい色をいかした華やかな彩りで、目でも味わってもらいたいと見た目にもこだわったもの。調味料をシンプルにして食材の味や食感を大切にしつつ、子どもや男性がパクパク喜んで食べる味つけです。
メインは玄米入りカレー風味のライスコロッケと大豆ミートの中華炒め(メニューは変動あり)。そのほか大根のすりごまあえや、にんじんと玄米ビーフンのマリネなど、和洋中の味わいが並び、さっぱり味、こっくり味とさまざま楽しめます。
なによりこちらの料理は、オーナーが「おいしくなぁれ」「ありがとう」といった想いを込めて作っているそう。食材へのこだわりはもちろん、料理をするときの気持ちも大切にしていると聞いて、ますますこの店のファンになりました(食べたらエネルギーがわきそう!)
グルテンフリー、大豆フリー、野菜だけのオードブルも可能。ごはんは要望があれば、麺やパンにも変えられます。
テーブルにのせると、ぱっと華やぐオードブル。家族旅行やグループ旅行で、ペンションに泊まったときにも重宝しそう……そう思って先日、3家族で一軒貸しの宿に泊まった際にオードブルを利用したところ、子どもたちはいつもと違うごちそうにテンションアップ!
外食せずとも大人はラクができて(これだけの子どもたちを外食に連れていったら大変!笑)、テーブルはにぎやかになるオードブル。大勢で集うときにはとても便利なので、沖縄旅行の際に楽しんでみてはいかがでしょう。
おまけの話*
今回宿泊したのは外人住宅宿、かふーわ宜野湾の姉妹店、かふーわ浦添。小さな庭つきで広々リビングにベッドルームは3部屋も。大人数での旅行におすすめです*
■ 基本情報
- YANBARU HARUSAA’S TABLE Cookhal
住所/沖縄県名護市4607‐1ネオパークオキナワ駐車場奥 - 電話/0980‐43‐5895
- 時間/9時~17時
- 定休日/日曜日
- オードブル/3,000円・4,000円(4日前までに予約)
- facebook/https://www.facebook.com/pages/Cookhal/164768850400386?fref=ts
- dechibica(デチビカ)
- 住所/沖縄県読谷村古堅648‐1
- 電話/098‐957‐0111
- 時間/11時~16時L.O.
- 定休日/日曜・祝日
- オードブル/2,700円(2日前までに予約)
- HP/http://dechibica.com/
- 楽ロビkitchen
- 住所/沖縄県那覇市真嘉比1‐29‐16 ブランシュール真嘉比2F
- 電話/080‐8353‐9855
- 時間/モーニング7時~10時L.O.、ランチ11時~14時30分L.O.、カフェ14時30分~16時L.O.
- オードブル/1,000円4人前~(2日前までに予約)
- 定休日/木曜日
- *価格は全て税込です
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