世界の料理の中でも、日本人にメジャーで親しみがある中国料理。 北京・広東・四川・上海と四大料理で知られる中国料理だが、実際のところはどうなのであろうか?
そんな中国料理の特徴と、東京で食べられる本場の味を提供するレストラン3店をご紹介。 ちなみに美味しいは中国語で好吃(ハオチー)です!
「酸湯魚(スワンタンユ)はまず魚を食べ、その後スープでミントをしゃぶしゃぶ。木姜子(ムーシャンズ)のレモンのような香りと相まって、口の中に清涼感が広がる。次ページ紹介の『ナポレオン フィッシュ』で」
中国料理といえば、日本では四大料理が一般的です。ひとつは北京料理。満漢全席で有名な宮廷料理と〝油重味濃〞の庶民料理で有名です。次に、素材の味わいを生かす上海料理と、〝麻〞(花椒のしびれる味)と〝辣〞(辛味)に代表される味わいをもつ四川料理。最後は広東料理で、変化に富んだ食材から生まれる滋味深い料理や飲茶などで知られています。
一方中国では、広東・四川・山東・江蘇・安微・山西・湖南・雲南の八省の八大料理に分けるのが一般的ですが、細分化すればキリがありません。
例えば北方料理は山東、河北、山西という黄河以北の地方料理から成りますし、中国のように広大な土地ではさまざまな民族、地方の料理があるため、中国料理という一つの料理はないとすらいえます。地方料理の集合体=中国料理なのです。
さらに都市の料理に少数民族の料理が加わったり、西洋料理の要素を取り入れたりしながら、歴史とともに進化を遂げています。最近では、国際色が豊かになったこともあり、海外の食材を使うことも珍しくありません。
客のレベルが高く、世界トップレベルの中国料理店がひしめき合う日本では、ここ10年ほどで四川料理の店が圧倒的に増えましたね。料理人も本国で修業する若手が増え、よりディープな料理を目指す人もいて、今後はますます面白くなるはずですよ。
渋谷『月世界』など話題店を手がけるイイコグループの人気店で味わえるのは、貴州省や雲南省、広西省などの少数民族の料理。トマトや唐辛子を発酵させた調味料を使った料理を出すのが特徴。
希少な食材を使い、漬物や本場産の発酵調味料で仕上げる料理は、独特の風味と奥深さをもつ健康的な味わいだ。
「日本では馴染みがない味なので、賛否両論」と料理長は話すが、裏を返せば、ひと味違う料理を求める食通には願ってもない味といえる。
「落花生もやしの歯応えと、歯にねばりつくようなこんにゃくのもちもち感が絶妙。極太もやしとわらびこんにゃく自家製ベーコン炒め」
店主・梁氏の故郷・黒竜江、吉林、内モンゴルなど東北部の家庭料理が食せる店。高架下にある店の裏路地ではスタッフが仕込みをする姿が見られ、本場感が漂う。
「中国東北部は北海道の気候に近く、ジャガイモが特産。香菜もよく使います」。
自家製板春雨は、でんぷん独特のブリッと感が新発見。中国の田舎町の調理法同様、1枚ずつ水溶き片栗粉を流し固めて作る。羊は串焼き、しゃぶしゃぶ、お焼きなど目移り必至。
ある通の常連さんの「ここの料理に合う!」のひと声で、良質なビオワインが手頃に飲めるのも面白い。
「板春雨の冷菜」
「幅広、肉厚な春雨麺を甘辛の豚炒めやパクチーとともに、酸っぱめの汁に絡めて味わう」
オーナーシェフの趙楊氏は、四川省成都の迎賓館『金牛賓館』で料理長を務めた厨師。東京一の四川料理と名高いこちらの一番高いコースは30万円。と聞くとおののくが、もちろん1万円前後の予算でも充分楽しめる。
食材の香りと旨みを精一杯出すのが四川料理の基本で、そのため火加減がなにより重要だが、乾物の戻し方もキモだという。
「四川省には海がないのでアワビやナマコなど、海産物は乾物を使います」。
ナマコのから揚げは口中で衣が破れると、プルンとした食感が顔を出す。新鮮な驚きをもって口福が訪れるだろう。
「鹿のアキレス腱と朝鮮人参の煮込み。アキレス腱は弱火の鍋で、1週間かけて戻すほど。鋼のように硬質。祝いの席の料理」
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そんな中国料理の特徴と、東京で食べられる本場の味を提供するレストラン3店をご紹介。 ちなみに美味しいは中国語で好吃(ハオチー)です!
「酸湯魚(スワンタンユ)はまず魚を食べ、その後スープでミントをしゃぶしゃぶ。木姜子(ムーシャンズ)のレモンのような香りと相まって、口の中に清涼感が広がる。次ページ紹介の『ナポレオン フィッシュ』で」
中国料理 = 土地・民族の特色を映す地方料理の集合体
中国料理といえば、日本では四大料理が一般的です。ひとつは北京料理。満漢全席で有名な宮廷料理と〝油重味濃〞の庶民料理で有名です。次に、素材の味わいを生かす上海料理と、〝麻〞(花椒のしびれる味)と〝辣〞(辛味)に代表される味わいをもつ四川料理。最後は広東料理で、変化に富んだ食材から生まれる滋味深い料理や飲茶などで知られています。
一方中国では、広東・四川・山東・江蘇・安微・山西・湖南・雲南の八省の八大料理に分けるのが一般的ですが、細分化すればキリがありません。
例えば北方料理は山東、河北、山西という黄河以北の地方料理から成りますし、中国のように広大な土地ではさまざまな民族、地方の料理があるため、中国料理という一つの料理はないとすらいえます。地方料理の集合体=中国料理なのです。
さらに都市の料理に少数民族の料理が加わったり、西洋料理の要素を取り入れたりしながら、歴史とともに進化を遂げています。最近では、国際色が豊かになったこともあり、海外の食材を使うことも珍しくありません。
客のレベルが高く、世界トップレベルの中国料理店がひしめき合う日本では、ここ10年ほどで四川料理の店が圧倒的に増えましたね。料理人も本国で修業する若手が増え、よりディープな料理を目指す人もいて、今後はますます面白くなるはずですよ。
未知の中国料理に出会える“発酵”が決め手の少数民族料理『ナポレオンフィッシュ』
「発酵させた野生のトマトがベースのスープでナポレオンフィッシュ(なまず)を食す酸湯魚。通常メニューではないが予約の際に伝えると用意してもらえる」渋谷『月世界』など話題店を手がけるイイコグループの人気店で味わえるのは、貴州省や雲南省、広西省などの少数民族の料理。トマトや唐辛子を発酵させた調味料を使った料理を出すのが特徴。
希少な食材を使い、漬物や本場産の発酵調味料で仕上げる料理は、独特の風味と奥深さをもつ健康的な味わいだ。
「日本では馴染みがない味なので、賛否両論」と料理長は話すが、裏を返せば、ひと味違う料理を求める食通には願ってもない味といえる。
「落花生もやしの歯応えと、歯にねばりつくようなこんにゃくのもちもち感が絶妙。極太もやしとわらびこんにゃく自家製ベーコン炒め」
ラム肉とジャガイモが特徴の東北料理はほのかにエスニック『味坊』
「ラム肉のクミン風炒めは東北地方の家庭の味。エキゾチックな香りと羊肉の旨みが絡み、ピリ辛具合が酒に◎」店主・梁氏の故郷・黒竜江、吉林、内モンゴルなど東北部の家庭料理が食せる店。高架下にある店の裏路地ではスタッフが仕込みをする姿が見られ、本場感が漂う。
「中国東北部は北海道の気候に近く、ジャガイモが特産。香菜もよく使います」。
自家製板春雨は、でんぷん独特のブリッと感が新発見。中国の田舎町の調理法同様、1枚ずつ水溶き片栗粉を流し固めて作る。羊は串焼き、しゃぶしゃぶ、お焼きなど目移り必至。
ある通の常連さんの「ここの料理に合う!」のひと声で、良質なビオワインが手頃に飲めるのも面白い。
「板春雨の冷菜」
「幅広、肉厚な春雨麺を甘辛の豚炒めやパクチーとともに、酸っぱめの汁に絡めて味わう」
中国を代表する厨師が生み出すめくるめく美食の世界『趙楊』
「なまこと唐辛子のから揚げは要予約。コース料理の中の一品」オーナーシェフの趙楊氏は、四川省成都の迎賓館『金牛賓館』で料理長を務めた厨師。東京一の四川料理と名高いこちらの一番高いコースは30万円。と聞くとおののくが、もちろん1万円前後の予算でも充分楽しめる。
食材の香りと旨みを精一杯出すのが四川料理の基本で、そのため火加減がなにより重要だが、乾物の戻し方もキモだという。
「四川省には海がないのでアワビやナマコなど、海産物は乾物を使います」。
ナマコのから揚げは口中で衣が破れると、プルンとした食感が顔を出す。新鮮な驚きをもって口福が訪れるだろう。
「鹿のアキレス腱と朝鮮人参の煮込み。アキレス腱は弱火の鍋で、1週間かけて戻すほど。鋼のように硬質。祝いの席の料理」
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